障害者家族の85.5%が「親なき後」に強い不安 日本財団調査で明らかに
日本財団が実施した調査によると、18歳以上の障害がある人の家族のうち、実に85.5%が親の高齢化や死亡などによって介助が困難になる「親なき後」の将来について不安を感じていることが明らかになりました。この調査結果は2月10日に公表され、家族が担ってきた支援が継続できなくなるリスクが高まっている現状を浮き彫りにしています。
具体的な不安内容と準備状況
調査は昨年10月、障害者の家族2500人を対象にオンラインで実施されました。将来についての不安の程度を尋ねたところ、「非常に不安」と答えた人は36.2%、「不安」が27.6%、「少し不安」が21.7%となり、合計で85.5%が何らかの不安を抱えていることが分かりました。
具体的な不安内容としては、「生活費や医療費など経済的なこと」を挙げる人が最も多く、金銭面での負担が大きな懸念材料となっています。また、「親なき後」に向けた準備を資金面などで行っている人は57.0%に留まり、準備が進んでいない家庭も少なくありません。
支援者の不在が深刻な課題に
準備をしている人の中で、親に代わってサポートする人を尋ねた質問では、「兄弟姉妹」が30.5%、「福祉関係者」が14.5%という結果でした。一方で、27.1%が「決まっていない、分からない」と回答しており、支援者の不在が明確な課題として浮かび上がっています。
調査アドバイザーを務めた北星学園大学短期大学部の藤原里佐教授は会見で、「現在の支援体制が親への依存に偏っている問題がある」と指摘。家族だけに負担が集中する現状を打破するためには、地域全体で障害者を受け入れる体制の整備が急務であると強調しました。
地域社会全体での取り組みが求められる
日本財団は、家族が長年にわたって担ってきた支援が将来的に継続できなくなるリスクが高まっているとして、地域コミュニティを基盤とした新たな支援ネットワークの構築を提言しています。高齢化が進む中で、障害者とその家族が安心して暮らせる社会環境の整備が、喫緊の課題となっているのです。
この調査結果は、単なる数字の問題ではなく、実際に日々の生活の中で将来への不安と向き合っている多くの家族の声を反映しています。社会保障制度の見直しと並行して、地域住民や専門機関が連携した具体的な支援策の早期実現が期待されています。