愛知県精神保健福祉センターで不適切処理1034件 障害者手帳交付で改ざん・偽造が発覚
愛知県は2026年2月10日、県精神保健福祉センター(名古屋市)において、20代の男性職員による不適切な事務処理が2023年度から2024年度にかけて合計1034件に上ったことを明らかにしました。問題の内容は、本来の障害等級と異なる障害者手帳の交付や、審査書類の偽造・改ざんなど多岐にわたります。県は現在、当該男性職員に対する処分を慎重に検討している状況です。
詳細な不適切行為の内容とその手口
県の調査によれば、男性職員は医師が診断書を基に等級を判定した審査書類を意図的に改ざんし、実際よりも重い障害等級の手帳を上司の決裁を得ることなく交付していました。さらに、精神障害者が通院医療費の減免を受けるために必要な受給者証の審査書類についても、偽造行為を行っていたことが判明しています。
この男性職員に関しては、2025年9月に異動先の別の部署において、上司の決裁を偽装した不適切処理が既に発覚していました。県による聞き取り調査では、職員自身が事実関係を認め、「事務処理が追いつかなかったこと」や「申請者から苦情を受けないためでもあった」と動機を説明したと伝えられています。
影響範囲と県の対応策
不適切処理によって交付された手帳や受給者証の大半は、既に有効期限が切れており、適切な手続きを経て更新が行われています。しかし、40人の申請者が期限内の手帳などを所持していることが確認され、県はこれらについて再審査や再交付を実施する方針を固めました。
県の担当者は再発防止に向けて、「複数の職員で事務を行うなど、確認体制を徹底したい」と述べ、組織的なチェック機能の強化を図る考えを示しています。この問題は、障害者福祉の根幹を揺るがす重大な信頼侵害として、関係者から強い懸念の声が上がっています。
愛知県精神保健福祉センターは、精神障害者への支援を担う重要な公的機関として、透明性と公正性が強く求められる立場にあります。今回の発覚を受けて、県は内部監査の強化や職員教育の見直しなど、包括的な対策に乗り出す構えです。今後の対応が注目される中、障害者手帳制度そのものの信頼回復が急務となっています。