サイバー犯罪対策にCTF競技を活用 埼玉県警が学生対象コンテストを初開催
サイバー犯罪対策にCTF活用 埼玉県警が学生コンテスト

サイバー犯罪対策の新たな一手としてCTF競技が注目

埼玉県警察は、近年増加の一途をたどるサイバー犯罪への対策強化に向け、情報セキュリティ分野における人材育成と啓発活動に新たな手法を導入している。その中心となるのが、情報セキュリティの知識や解析技術を競い合う競技「CTF」の積極的な活用である。警察官向けの訓練プログラムに加え、若年層を対象としたコンテストも実施し、楽しみながら専門スキルを習得できる環境を整備している。

中高大学生150人が参加した初のCTFコンテスト

警視庁と埼玉県警は先日、情報セキュリティへの意識向上を目的として、中学生・高校生・大学生を対象としたCTFコンテストを初めて開催した。会場は埼玉県警察学校を中心に、各都県の施設をオンラインで接続して実施され、合計150人の若者が参加。チームに分かれて熱戦を繰り広げた。

CTFは「Capture The Flag」の略称で、コンピューターシステムの解析を通じて、意図的に仕掛けられた脆弱性やセキュリティ上の問題点を発見し、その速度や正答数を競う競技である。世界中で公式コンテストが開催されるほか、インターネット上では有志による問題出題の文化も根付いており、実践的な技術習得の場として評価されている。

実践的な問題で若者の発想力を試す

今回のコンテストでは、参加者が2時間以内に専門的な技術を駆使して問題を解決する形式が採用された。出題内容は多岐にわたり、例えばSNSに投稿された画像から撮影場所を特定する課題や、押収されたスマートフォンのデータ解析など、現実の捜査活動を想定した実践的な内容が盛り込まれた。

参加者は1人から3人までのチームを組み、パソコンやスマートフォンを活用しながら解答を導き出した。埼玉大学4年生の辻宇太さんは「解きごたえのある問題が多く、楽しみながら取り組むことができた。このスキルを活かして、将来的には社会貢献に繋げていきたい」と意気込みを語った。

埼玉県警サイバー局の中出功局長は、若年層の参加者たちの創造性について「問題解決に向けた発想力には非常に驚かされた。このような取り組みを通じて、サイバー犯罪の抑止に貢献できる人材を育成していきたい」と述べ、今後の活動への期待を表明した。

警察組織におけるCTF活用の広がり

CTFの活用は、単なる競技としてだけでなく、警察組織内部の訓練プログラムとしても拡大している。従来の座学中心の教育に加え、実践的なシミュレーションを通じて、現場で即戦力となるスキルを養うことが可能となった。特に若手警察官の育成において、ゲーム感覚で学べるCTFは高い効果を発揮しているという。

埼玉県警は今後も、定期的なコンテストの開催や、教育機関との連携強化を通じて、サイバーセキュリティ人材の裾野を広げていく方針を示している。地域社会全体のセキュリティ意識向上にも寄与する取り組みとして、継続的な発展が期待されている。