神奈川衆院選で自民党が小選挙区初の独占、高市首相の人気が「鬼門」選挙区も制す
衆院選において、神奈川県内の20の小選挙区をすべて制し、議席を初めて独占した自民党。かつて野党に奪われた選挙区や、これまで一度も勝利したことのない「鬼門」と呼ばれる選挙区でも快勝を収めた。県内第1党から陥落した前回選からわずか1年3カ月余りで、劇的な変化をもたらした要因は何か。
高市首相の応援演説が熱気に包まれる
選挙戦中盤の1月31日、神奈川県18区の自民前職・山際大志郎氏(57)の応援演説で川崎市内の複合施設を訪れた高市早苗首相は、「私は日本人と日本の底力を信じてやまない。誇りを持って、自信を持って挑戦しましょう。挑戦しない国に未来はないです」と力強く訴えた。千人以上の聴衆が一斉に沸き立ち、会場は熱気に包まれた。当日は広いホールに入りきれないほどの人が押し寄せ、県内でも「高市人気」が健在であることを示した。
同じ18区で山際氏と争った中道改革連合の前職・宗野創氏(33)は、「山際さんと戦っているというより、高市さんと戦っているみたいだ」とつぶやいた。2024年の前回選では、立憲民主党から立候補した宗野氏が初当選を果たし、旧統一教会との関係が指摘された山際氏は劣勢を強いられ、比例南関東ブロックで自民の最後の議席枠に滑り込む形で議席を確保していた。しかし今回は、山際氏が小選挙区を奪還し、宗野氏の比例復活も許さなかった。
「鬼門」選挙区でも若年層の支持を獲得
高市首相は、自民党が1996年の小選挙区制導入以降、一度も勝ったことがない「鬼門」とされる8区にも入った。この8区では、2005年以降7回連続で小選挙区当選を果たしていた中道前職の江田憲司氏(69)が、自民前職の三谷英弘氏(49)に敗れ、比例復活もできなかった。
三谷氏は、首相の人気に加え、地元活動の蓄積などが勝利につながったと分析。「特に今回は若い人がものすごく応援してくれた印象」と語った。共同通信の出口調査によると、一騎打ちとなった8区では、10代から40代の有権者の6割以上が三谷氏に投票。うち20代は8割近くに上り、若年層の強い支持が明らかになった。江田氏が三谷氏を上回ったのは70歳以上のみだった。
公明党抜きの選挙戦で自力の底上げに成功
梅沢裕之県連幹事長は投開票から一夜明けた9日、「『高市旋風』は間違いない」と述べつつ、連立を離脱した公明党の選挙支援が事実上受けられない危機感があったからこそ、「地方議員もより連携を取って選挙を戦えた結果だ」と強調した。自民党は県内で獲得した比例票も約145万票と、2位の中道に2倍近い差をつけ、昨夏の参院選と比べても約55万票を増やした。
梅沢幹事長は「地方議員も含めて緊張感を持ってことにあたりたい」と引き締める一方で、公明党抜きで戦い、自力を底上げできたことは、今後の選挙戦に向けた大きな成果となった。神奈川県内での自民党の地盤強化が、全国的な政治動向にも影響を与える可能性が高まっている。