竜王戦4組で山下四毅四段が村田顕弘六段と激闘、新人デビュー戦で「村田システム」に挑む
第39期竜王戦4組において、新人棋士の山下数毅四段が村田顕弘六段と対局を繰り広げた。山下四段は2025年10月に四段昇段を果たしたばかりの現役最年少棋士で、このデビュー戦は注目を集めた。対する村田六段は、自身の名を冠した「村田システム」で知られ、藤井聡太竜王を追い詰めた作戦として2023年度升田幸三賞特別賞を受賞している。
村田システムを駆使した序盤の駆け引き
対局は午前9時30分に開始され、山下四段は緊張した様子を見せず、落ち着いた態度で集中力を高めた。村田六段は角道を開けない特徴的な戦法で序盤を進め、自分の土俵に持ち込もうとした。駒組みが進む中、△4二銀に対して▲5五歩と位を取るのが一般的な形だが、村田六段には独自の仕掛けが用意されていた。
山下四段は公式戦の経験を重ねるにつれ、長考する場面が増えている。この対局でも、昼食休憩を挟む1時間11分の長考で△3三銀と備えるなど、慎重な指し回しを見せた。山下四段は「6組のときは緊張感が強く早指しになりがちだったが、5組昇級後はリラックスしてじっくり考えられるようになった」と語り、成長の証しを示した。
中盤での激しい攻防と両者の戦略
中盤では▲3五歩△同歩▲7六歩と角道を開ける新構想が登場。村田六段は中央の歩を目標にされる展開を避け、山下四段は受けに徹する方針を貫いた。左辺を収めた後、△6五歩で後手も反撃に出るなど、激しい攻防が続いた。
村田六段は桂を跳ねて迎え撃ったが、次の一手を「軽視していた」と悔恨を口にし、対局の緊迫感を物語った。山下四段の粘り強い応戦により、村田システムの威力を振りほどく場面も見られ、新人棋士の底力が発揮された。
この対局は、山下四段のデビュー戦として、村田六段との経験豊富な戦いを通じて、将棋界の新たな星の成長を印象付けるものとなった。竜王戦の今後の展開にも注目が集まっている。