市職員がパワハラで自殺、上司を停職6か月処分…遺族「職員を大切に」
市職員がパワハラで自殺、上司を停職6か月処分

市職員がパワハラで自殺、上司に停職6か月の処分

石川県能美市は10日、総務部の職員がパワーハラスメントを原因として自殺していたことを受け、上司の課長級職員に対して停職6か月の懲戒処分を科したと発表した。この処分は、第三者委員会の調査報告書に基づき決定されたもので、市は深刻な事態を重く見ている。

遺書に記された嫌味やあだ名

市が公表した調査報告書によると、亡くなった職員の遺書には、上司からの日常的な嫌味や、「残業三兄弟」というあだ名で呼ばれたことなどが記されていた。これらの行為は、職員の精神的負担を増大させ、自殺の一因となったとみられている。

第三者委員会が認定したハラスメント行為

能美市は昨年9月、パワハラに関する内部通報を受けて聞き取り調査を開始し、第三者委員会を設置して詳細な検証を行った。委員会は以下の行為をハラスメントと認定した。

  • 自殺した職員を含む3人を「残業三兄弟」と呼んだこと。
  • 業務指示の際に「どうせすぐ忘れるだろうから」と発言したこと。
  • 本人の同意なく、極めて個人的かつセンシティブな情報を外部者に告知したこと。
  • 部下に時間外勤務の上限を月30時間と指導し、事前申告のないものは受け付けないと宣言したこと。

報告書では、亡くなった職員が前年度に退職した2人の積み残し業務を含めて負担が増えていた一方で、時間外勤務に関しては勤務実態よりも過少申告されていたことも指摘されている。このような環境が、職員のストレスをさらに高めた可能性がある。

市長の謝罪と給与減額措置

井出敏朗市長は記者会見で、「上司によるパワハラが原因とされ、事態を防げなかったことに、亡くなられた職員、ご遺族の皆様に心よりおわびを申し上げます」と謝罪した。また、市長と副市長の給与を3か月間減額することを明らかにし、責任の所在を明確に示した。

遺族からの再発防止への要望

亡くなった職員の遺族は読売新聞の取材に対し、「市には職員を大切にして、再発防止に向けてしっかり対応してほしい」と語った。この発言は、職場環境の改善と同様の悲劇を繰り返さないよう求める切実な願いを反映している。

能美市は今後、パワハラ防止策の強化や職員のメンタルヘルスケアの充実に取り組むとみられ、この事件を契機に組織全体の改革が進められることが期待される。