京都市、過去最大規模の1兆80億円予算案を発表 観光マナー向上や子育て支援を強化
京都市1兆80億円予算案 観光マナーや子育て支援強化

京都市、過去最大規模の予算案を発表 観光と市民生活の両立を強化

京都市は、2026年度一般会計当初予算案を発表しました。総額は1兆80億円に上り、前年度当初比で5.3%増加し、過去最大規模となりました。この予算は「収支均衡予算」を維持しつつ、2026年3月に実施される宿泊税の引き上げを踏まえ、観光振興と市民生活の質向上を両立させる施策を強化しています。若者の定住や移住促進にも重点を置いた内容となっています。

歳入・歳出の詳細と主要事業

歳入面では、市税が前年度比6%増の3563億円と過去最高を記録しました。個人市民税や固定資産税の好調に加え、宿泊税の大幅増も見込まれています。一方、歳出では社会福祉関連経費の増加傾向が続いており、小中学校の体育館への空調設備導入や山科駅周辺の整備など、投資的経費も膨らんでいます。

観光分野では、観光マナーの周知や啓発活動の充実に8100万円を充てます。祇園町南側地区(東山区)や伏見稲荷大社(伏見区)周辺では啓発員を増員し、マナー向上に積極的に取り組みます。また、宿泊施設の質向上を目的に、伝統産業品を活用した内装工事や災害対応強化への支援事業として1億1000万円を計上しました。

子育て支援では、未就学児のいる世帯が既存住宅を購入する際の「京都安心すまい応援金」の交付を2027年度まで延長します。定住と移住を促進するため、6億4700万円を掲げています。

交通施策として、市バスで市民と観光客の運賃に差をつける「市民優先価格」を2027年度中に導入するための支援事業を加速させます。制度の周知には1000万円を用意しています。

教育委員会の関連予算も大幅増

京都市教育委員会の関連予算案は1281億円で、前年度比155億円(13.8%)増となりました。主な事業として、不登校の児童生徒の支援強化を図り、「校内サポートルーム」の設置やコーディネーターの配置に3100万円を計上します。また、伝統技能を中心とする体験講座の実施にも500万円を充てます。

学校給食では、43億5200万円を投じて公立小学校の児童ら約5万6000人分の給食を実質無償化します。さらに、独自任用のALT(英語指導助手)を10人増員するために7100万円、学校の法的な相談に対応するスクールロイヤー(弁護士1人)の雇用に500万円も掲げています。

この予算案は、京都市が持続可能な成長を目指し、観光産業の健全な発展と市民の生活環境向上を両輪として推進する姿勢を明確に示しています。特に、宿泊税増収を活用した観光マナー啓発や、若年層の定住促進策は、今後の都市政策の重要な柱となるでしょう。