日本発のニパウイルスワクチン、4月にベルギーで臨床試験を開始へ
致死率の高いニパウイルス感染症の発症を防ぐワクチンの開発が、日本発のプロジェクトで進められている。プロジェクトを主導するのは、国産ワクチン開発の司令塔として知られる先進的研究開発戦略センター「SCARDA(スカーダ)」である。同センターは、2026年4月にベルギーで臨床試験を開始する予定だと発表した。
ウイルスベクターワクチンによる免疫反応の誘導
このワクチンは、弱毒化した麻疹ウイルスにニパウイルスの遺伝子を組み込んだ「ウイルスベクターワクチン」として開発されている。体内では、ニパウイルスの一部のたんぱく質が作られ、それに対する免疫反応が引き起こされる仕組みだ。本物のニパウイルスに感染した際に、素早く免疫反応を起こして発症を予防することが目的である。
麻疹ウイルスは、一生続く強い免疫反応を誘導することが科学的に知られており、この特性を活用している。弱毒化させた麻疹ウイルスは、はしかワクチンとして長年にわたり広く使用されており、安全性と有効性が実証されている。
ニパウイルス感染症の脅威と開発の背景
ニパウイルス感染症は、特にインドなどで感染報告が相次いでいる致死性の高い疾患であり、日本での流行リスクも懸念されている。このような背景から、SCARDAを中心としたプロジェクトが急ピッチで進められてきた。プロジェクトリーダーの米田氏らは、ワクチン開発の重要性を強調している。
臨床試験では、ベルギーを拠点に安全性と有効性を詳細に評価する計画だ。成功すれば、世界的な感染症対策に大きく貢献することが期待される。日本発の技術革新が、国際的な医療課題の解決に役立つ可能性が高まっている。