福島除染土壌の県外処分、秋までに利用先確保を目指す
東京電力福島第1原発事故に伴う福島県内の除染作業で発生した土壌の県外最終処分について、石原宏高環境大臣は10日の閣議後記者会見で、「秋までに(土壌を)利用する場所は必ず見つけたい」と述べました。この発言は、東京都以外に所在する政府の出先機関を念頭に置いたものと見られています。
現状の再生利用と政府の方針
現在、除染土壌は県外では首相官邸と東京・霞が関にある中央省庁9カ所の花壇などで使用されています。政府は土壌の安全性を広く周知するため、地方に位置する各省庁の出先機関などでの再生利用を推進する方針を掲げていますが、具体的な開始時期についてはまだ明示していません。
石原大臣は会見で、再生利用の促進に積極的な姿勢を示す一方で、「(周辺住民らの)理解醸成も必要で慎重さが重要」との見解も強調しました。秋までに新たな再生利用先を選定する方針については、現時点では政府としての公式目標ではなく、「私の思い」と位置付けています。
除染土壌の規模と課題
中間貯蔵施設(福島県大熊町、双葉町)で保管されている除染土壌などは、合計で約1400万立方メートル(東京ドーム約11杯分)に上ります。このうち、再生利用の対象となる土壌は全体の約4分の3を占めており、最終処分量を削減する上で重要な鍵となります。
しかし、これまでに官邸と中央省庁で使用された土壌はわずか81立方メートルに留まっており、再生利用先の拡大が緊急の課題となっています。政府は、地方の出先機関での活用を通じて、この課題の解決を図ろうとしていますが、住民の理解を得るための丁寧な説明と慎重な対応が求められています。