故郷の衰退に心痛める大学生が訴える「若者が夢をあきらめない社会に」
2026年2月12日、千葉県鴨川市出身の大学生・高橋奈夏さん(20)は、地元の将来について深い憂いを語った。人口減少が急速に進む地方の未来が、衆院選で十分に議論されなかったことに懸念を示す。
農家の減少とメガソーラー開発に悲観
高橋さんは、衆院選投開票前日の2月7日、SNSで選挙情報を閲覧しながら複雑な思いを抱いていた。投票先を決めかねる理由として、地域振興に関する論戦の不足を挙げた。
「地元では農家がどんどん辞めて、田んぼも荒れるばかりです。自然豊かな山にはメガソーラー(大規模太陽光発電所)の開発が進み、この先どうなるのかと思うと、悲しくなります」と語る。衰退する第1次産業とともに、故郷の行く末を案じている。
食への関心から故郷貢献を夢見る
高橋さんは房総半島南東部の鴨川市で生まれ育った。温暖な気候を生かした農業と太平洋の恵みによる漁業が盛んな地域だ。実家の食卓には、母が職場から持ち帰った海産物や近所から分けてもらった採れたて野菜が並び、幼い頃から食への関心が深まった。
その知識を磨こうと女子栄養大学(埼玉県坂戸市)に進学。「将来は生まれ育った故郷に貢献したい」という思いから、家庭科教員免許と栄養士資格の取得を目指して日々勉強に励んでいる。
深刻な人口減少と高齢化の波
しかし、鴨川市の人口は1950年のピーク時4万8571人から、2026年2月1日時点で2万9383人に減少。65歳以上の高齢者は約4割に上り、今後も人口減少とさらなる高齢化が危惧されている。
高橋さんの同年代で高校卒業後に地元を出た人は多く、残った人でも第1次産業に携わる人はほとんどいないという。農漁業は天候に左右され、収入にばらつきがある職種も多いためだ。
第1次産業への支援と政治家への期待
「第1次産業は自分たちの食べ物をつくるために大事です。若い人が携わりたいと思う環境づくりを進めてほしい」と高橋さんは訴える。国や自治体による手厚い支援が必要だと感じている。
衆院選で高市早苗首相率いる自民党が歴史的大勝したことについては、「高市さんへの国民の支持がすごいと感じた。経済を回すことを頑張ってほしい」と期待を寄せる。
一方で、「お金が回ればいいだけでなく、みんなが豊かになる政策を考えてほしい」と強調。続けて、「若者が夢をあきらめずに、やりたいことを選べる社会になってほしい。政治家はどんどん現場に足を運んで、一緒に仕事を体験したり、地域の声を聞いたりしてほしい」と訴えた。
地方の衰退に歯止めがかからない現状の中、若者の夢と地域の未来を守る政策が求められている。