NATOが北極圏での警戒監視活動を開始 米国の安全保障懸念払拭へ
NATO北極圏警戒監視開始 米国の懸念払拭狙う (11.02.2026)

NATOが北極圏での警戒監視活動を開始 米国の安全保障懸念払拭へ

北大西洋条約機構(NATO)は2月11日、デンマーク自治領グリーンランドを含む北極圏での警戒・監視活動を正式に開始したと発表した。この動きは、北極圏におけるNATOの存在感を強化することを目的としており、特にトランプ米大統領が過去にグリーンランドの領有を要求する口実としてきた安全保障上の懸念を払拭する狙いがある。

「北極圏の見張り」と命名された活動

今回の警戒・監視活動は「北極圏の見張り」と命名され、米国東部ノーフォークにある統合軍司令部が指揮を執る。この活動は、北極圏や大西洋を担当する統合軍の司令官ポストが、米軍から英軍に移管されることが決定された背景もあり、欧州側により重い責任を負うよう求めるトランプ政権の姿勢を象徴する動きとなった。

NATOの関係者は、この活動を通じて、北極圏の安全保障環境を監視し、潜在的な脅威に対応する能力を高めると説明している。特に、気候変動による氷の融解に伴い、北極圏の戦略的重要性が増している中で、NATOとしての結束と対応力を示す意義は大きい。

米国の懸念を背景にした戦略的展開

トランプ政権は過去に、グリーンランドの領有を要求する際に、同地域の安全保障上の懸念を理由として挙げていた。NATOの今回の活動は、こうした米国の懸念を払拭し、同盟内での協調を強化することを目指している。また、北極圏での活動拡大は、ロシアや中国の同地域での影響力拡大に対抗する意味合いも持つ。

専門家は、この動きがNATOの戦略的再編の一環であり、欧州諸国がより積極的な役割を果たすことで、米国との同盟関係を強化する効果が期待されると指摘している。今後、北極圏での監視活動は、定期的な訓練や共同演習を通じて、さらに拡大される見込みだ。

NATOの発表によれば、活動は即時開始され、加盟国間の連携を深めながら、北極圏の安定と安全を確保することを目標としている。この取り組みは、国際社会におけるNATOの役割を再確認する機会ともなっている。