中国発日本便が春運第1週で前年比49%減少 政治緊張が旅行需要に影
中国メディアの第一財経が11日に報じたところによると、中国の春節(旧正月)に伴う特別輸送態勢「春運」の第1週(2月2日から8日)において、中国と日本を結ぶ航空便が昨年同期と比較して1,292便減少し、49.2%の大幅減となったことが明らかになった。
春運期間中の航空便激減
今年の春節連休は2月15日から23日まで設定されており、春運特別態勢は2月2日から3月13日までの期間実施されている。この期間は例年、帰省や旅行需要が集中するピークシーズンにあたるが、日本路線では例年にない減少幅が記録された。
北京首都国際空港では、春運開始初日の2日、日本便を扱うカウンターで搭乗手続きを行う乗客の姿が確認されたものの、全体の便数は大きく落ち込んでいる状況だ。航空業界関係者によれば、この減少率は過去数年で最大規模であり、特に観光需要の低下が顕著に表れているという。
政治的要因が旅行需要に影響
背景には、高市早苗首相が国会答弁で「台湾有事が存立危機事態になり得る」と発言したことに対する中国政府の反発がある。中国政府はこの発言を受けて、日本の治安悪化を名目に国民に対して訪日自粛を重ねて呼びかける姿勢を強めている。
この影響は旅行動向にも明確に現れており、中国の大型連休における海外旅行人気ランキングにおいて、昨年まで安定的にトップ10入りしていた日本が上位10位から外れる事態となった。日本は長年にわたり中国からの観光客にとって主要な旅行先の一つであったが、政治的な緊張関係が民間交流にまで影響を及ぼす構図が浮き彫りになっている。
今後の見通しと業界への影響
航空業界では、春運全体を通じた日本路線の需要回復は楽観視できない見方が強まっている。関係者からは以下のような懸念の声が上がっている。
- 春運第1週の減少傾向が今後も継続する可能性
- 政治的要因による旅行需要の冷え込みが長期化するリスク
- 航空会社の収益悪化と路線再編の圧力
- 観光関連産業への二次的影響の拡大
中国と日本を結ぶ航空路線は、コロナ禍からの回復過程にあったが、新たな政治的要因によって再び逆風に直面している。今後の両国関係の進展が、民間レベルの人的交流や経済活動にどのような影響を与えるかが注目される。