伊藤匠二冠が朝日杯初の決勝進出 阿部七段を91手で下す
第19回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)の準決勝が2026年2月11日、大阪府高槻市の高槻城公園芸術文化劇場で行われ、伊藤匠二冠(23)が阿部健治郎七段(36)を91手で破り、初の決勝進出を果たした。対局は午前中に開始され、11時51分に伊藤二冠の勝利が確定。将棋界の若きスターが大きな舞台で躍進を見せた。
藤井聡太六冠との頂上決戦が実現
伊藤二冠は同日午後に行われる決勝戦で、藤井聡太名人・竜王(23)と対戦する。藤井六冠は王位・棋聖・棋王・王将のタイトルも保持しており、将棋界の八つのタイトルを分け合う両雄による頂上決戦が実現した。伊藤二冠にとっては朝日杯初優勝をかけた重要な一戦となる。
初の東京以外での開催 高槻市が舞台に
今回の朝日杯決勝・準決勝は、大会史上初めて東京都以外で開催された。2024年12月にJR高槻駅前に関西将棋会館がオープンした「将棋のまち高槻」での頂上決戦として注目を集めた。大会は高槻市と市文化スポーツ振興事業団の共催、三井住友トラストグループの特別協賛、MIRARTHホールディングスとオカムラの協賛で実施された。
伊藤二冠の快進撃 羽生九段ら強豪を撃破
伊藤匠二冠は2020年10月にプロ入りし、朝日杯には第15回大会から参戦。今回が初の本戦入りで、1回戦では羽生善治九段(55)、2回戦では青嶋未来七段(30)を破り、4強入りを果たしていた。若手ながらも確かな実力を見せつける活躍が続いている。
阿部七段も健闘 予選から勝ち上がる
阿部健治郎七段は朝日杯第4回大会から参戦し、今回が初の本戦入り。1次予選では門倉啓太六段(38)らに3連勝、2次予選では森内俊之九段(55)と佐藤康光九段(56)という永世称号資格保持者を連破。本戦でも丸山忠久九段(55)戦を不戦勝で制し、前回優勝者の近藤誠也八段(29)を破ってベスト4に進出していた。
前夜祭での意気込み 両棋士のコメント
準決勝前日の10日に開催された前夜祭では、両棋士が意気込みを語った。伊藤二冠は「まずは決勝に勝ち進めるように、目の前の局面に集中して良い将棋を指していけたら」と冷静な姿勢を示した。一方、阿部七段は「腰を痛めているが、オカムラさんの素晴らしいイスを使わせていただけるのを大変ありがたく思っております。明日は良い将棋を指せると思います」とユーモアを交えて語っていた。
過去の対戦成績 1勝0敗の伊藤二冠
両者の過去の対戦成績は1局のみ。2024年の第82期C級1組順位戦で、後手の阿部七段が四間飛車に振り、居飛車の伊藤二冠(当時は七段)が勝利を収めていた。この結果を踏まえ、今回の対局でも伊藤二冠が優勢に試合を進める展開となった。
朝日杯将棋オープン戦は将棋界を代表するオープン戦の一つであり、今回の高槻市での開催は地域振興と将棋普及の両面で大きな意義を持つ。伊藤匠二冠と藤井聡太六冠による決勝戦は、将棋ファンだけでなく幅広い層から注目を集めることとなった。