JR宇都宮線で大規模停電発生、架線100カ所以上が破損し19万人に影響
JR宇都宮線は2月9日、埼玉県栗橋駅から栃木県間々田駅の区間で発生した停電事故のため、東京駅から栃木県小山駅間の上下線で始発から午前9時ごろまで運休を余儀なくされた。全線の運転再開は午後4時半過ぎにずれ込み、湘南新宿ラインを含めて合計192本の列車が運休し、3本の列車は最大17時間以上の遅れを記録した。この事故により、約19万人の乗客に影響が及んだ。
停電の原因は架線の大規模破損とパンタグラフの脱落
停電は2月8日午後11時16分ごろに発生した。現地調査の結果、下り線のトロリ線が断線し、そこから約4キロにわたって金具などの架線設備が100カ所以上破損していたことが判明した。同区間を通過していた逗子発小金井行きの普通電車(15両編成)では、パンタグラフが脱落するなど屋根部分で10カ所以上の破損が確認された。
この電車と後続の2本の列車は駅間で立ち往生し、乗客計230人は横付けした上り電車に乗り移るなどして避難を強いられた。事故現場では、電車の屋根上からパンタグラフが脱落している様子が確認され、JR東日本が提供した情報によれば、架線の損傷が広範囲に及んでいた。
首都圏のJR線で相次ぐ電気トラブル、国交省が再発防止を指示
首都圏のJR線では、1月16日以降、山手線や京浜東北線、常磐線などで電気トラブルが相次いで発生している。これを受け、国土交通省は今月3日、原因究明と再発防止策の検討をJR東日本に指示していたばかりだった。今回の事故は、その指示直後に起きたもので、鉄道ネットワークの信頼性に対する懸念が高まっている。
JR東日本は、事故の詳細な原因調査を進めるとともに、乗客への影響を最小限に抑えるための対策を講じる方針を示している。しかし、大規模な停電と架線破損は、鉄道インフラの維持管理の重要性を改めて浮き彫りにした。
この事故は、通勤や通学に依存する多くの利用者に混乱をもたらし、鉄道システムの脆弱性を露呈する結果となった。今後の再発防止に向けて、JR東日本は設備点検の強化や緊急時の対応策を見直すことが求められている。