JR東日本千葉支社は9日、JR久留里線の久留里駅から上総亀山駅までの区間を、2027年4月にも廃線とする方針を正式に発表しました。この決定は、年度内に国土交通省へ届け出られる予定です。JR東日本管内において、災害などの特別な理由を除く廃線は、これが初めてのケースとなります。
利用客の激減が背景に
同社は2024年11月、この区間を廃線とし、バス運行へ切り替える方針を既に示していました。その背景には、利用客の著しい減少があります。2024年度の平均通過人員は1日わずか76人で、37年前と比較すると約90%も減少しています。鉄道の強みは「大量輸送」にあるため、当時の土沢壇支社長は記者会見で、「バスを中心とする新たな交通体系へモードチェンジを図ることが最適だ」との見解を表明していました。
代替交通の協議が進展
JR東日本は、千葉県や君津市と連携し、廃線後の交通体系について繰り返し協議を重ねてきました。昨年12月には、廃線に伴う代替バス運行計画案が提示され、運行費用をJR東日本が18年間負担することが報告されました。今後は、費用負担の詳細について、市とのさらなる協議が行われる方針です。
地元自治体の反応
この発表を受け、千葉県の熊谷知事は、「代替バスがより利便性の高い公共交通となることが最も重要だ。地域に寄り添った対応をしてほしい」とのコメントを発表しました。また、君津市の石井宏子市長も、「沿線地域の公共交通に空白を生まないよう、代替交通の運行に向けて取り組んでいく」と述べ、地域の交通網維持への意欲を示しました。
存続を求める声も
一方で、存続を求めて活動してきた「久留里線と地域を守る会」の都築明事務局長(76歳)は、読売新聞の取材に対し、不快感を表明しました。「鉄道には観光客を呼び込める力などがあるからこそ、これまで存続の必要性を何度も訴えてきた。JRは時間をかけて地元の声を聞くべきで、なぜ廃線を急ぐ必要があるのか」と語り、廃線決定への疑問を投げかけています。
この決定は、地域の交通インフラの再編を象徴する事例として、今後も注目を集めそうです。利用客の減少に直面する地方鉄道の課題と、持続可能な公共交通への転換が、千葉県で具体的に進められることになります。