日本郵便、軽貨物車3333台が使用停止処分 全国1862局で不適切点呼問題
日本郵便、軽貨物車3333台停止処分 1862局で点呼問題

日本郵便、軽貨物車3333台が使用停止処分 全国1862局で不適切点呼問題

国土交通省は10日、郵便物の配送に使用される軽バンなどの軽貨物自動車について、運転手への点呼が不適切だったとして、違反が確認された各地の郵便局に対し、使用停止処分の通知を終えたと発表しました。処分は昨年10月から順次科され、今回の通知が最後となり、全体で1862の郵便局が対象となり、使用停止は計3333台に上ります。

金子国交相「輸送の安全を揺るがす遺憾な事態」

金子恭之国交相は10日の閣議後会見で、この処分は貨物自動車運送事業法違反の認定に基づくものであると明らかにしました。金子国交相は「安全管理の要である点呼業務が適正にされず業務が行われていたことは、輸送の安全を揺るがすもので遺憾だ。再発防止の取り組みを着実に実施していただきたい」と述べ、問題の深刻さを強調しました。

貨物自動車運送事業法では、軽貨物車について事業所ごとに「車両停止」処分を定めており、事業所の全車両が対象となるわけではなく、停止日数や台数は違反の重さや事業所の所有台数に応じて決定されます。今回の処分は、兵庫県の郵便局での問題を発端に「前例の無い」規模に発展しました。

不適切点呼問題の経緯と影響

日本郵便をめぐっては、昨年3月に近畿地方で点呼が適切に実施されていないことが朝日新聞の取材で発覚。日本郵便は昨年4月、全国3188郵便局の75%にあたる2391局で不適切な点呼があったとする全国調査の結果を発表していました。

調査を受け、国交省は全国の郵便局に監査を実施し、昨年10月から順次、違反を認定した郵便局で軽貨物車が一定期間使えなくなる処分を科してきました。全ての軽貨物車が使えるようになるのは6月2日からとなります。

また、日本郵便では大型トラックを扱う郵便局でも不適切点呼が確認され、国交省は昨年6月、一般貨物自動車運送事業の許可を取り消し、拠点間の輸送に使うトラックなど約2500台が使えなくなりました。軽貨物車の処分も含めて物流網に影響が出ており、日本郵便は佐川急便など同業他社への委託などで補っています。

住民への影響と内部通報の課題

「本州一の厳寒地」とされる地域の郵便局では、唯一の軽バンが停止処分となり、住民に不安が広がっています。さらに、内部通報が届かなかった事例もあり、「カメラ映像を見てくれれば」との声が上がるなど、ガバナンス不全が指摘されています。

日本郵便の不適切点呼を巡る経緯は、2024年5月に横浜市の郵便局で配達員が点呼を受けずに酩酊運転した事件から始まり、2025年には兵庫県で数年間の点呼未実施が発覚するなど、問題が拡大。2026年2月10日現在、一連の処分対象は計1862局、停止は3333台に達しました。

この問題は、輸送安全の基盤を揺るがす重大な事態として、再発防止策の徹底が求められています。