JR宇都宮線で大規模架線切断、100カ所以上損傷 19万人に影響
JR宇都宮線で架線切断、100カ所以上損傷 19万人影響

JR東日本は、宇都宮線(東北線)で発生した大規模な架線切断事故について詳細を明らかにした。8日深夜に発生したこの事故により、約4キロの範囲で100カ所以上の架線設備が損傷し、9日の始発から一部区間で運転が見合わせられた。午後4時半ごろに全線で運行が再開されたものの、計192本が運休し、最大で約17時間の遅れが生じ、約19万人の利用者に影響が及んだ。

深夜の停電表示から始まった混乱

事故は8日午後11時15分ごろ、運行管理部署で停電を知らせる表示が現れたことから発覚した。調査の結果、茨城県古河駅と栃木県野木駅の間で架線が切断されていることが判明。停電の影響で付近を走行していた電車2本が緊急停止し、乗客計200人以上が安全のため踏切から線路外へ避難したり、横付けした別の電車に移乗したりする事態となった。

設備と車両に甚大な損傷

現場の詳細な調査によると、金具の脱落などにより、架線設備は広範囲にわたって損傷していた。停止した電車のうち1本は、パンタグラフ(架線から電力を取る装置)やアンテナが脱落し、車体自体も変形するほどの被害を受けた。JR東日本は現在、切断の原因を緊急に調査している。

関連路線にも波及した影響

宇都宮線区間を走行する湘南新宿ラインは、この事故の影響で終日運休を余儀なくされた。これにより、通勤や通学をはじめとする多くの利用者の足が大幅に乱れることとなった。JR東日本は、迅速な復旧作業に努めたものの、全線運行再開までに時間を要した。

相次ぐトラブルに謝罪

JR東日本では、今年1月以降も山手線で作業ミスによる停電が発生し、常磐線では架線切断による長時間の運行停止が起きるなど、鉄道システムの不具合が相次いでいる。同社の担当者は今回の事故について、「再びご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます」と謝罪の意を表明した。

この大規模な架線切断事故は、鉄道インフラの維持管理の重要性を改めて浮き彫りにした。利用者への影響が広範囲に及んだことから、今後の再発防止策が強く求められている。