総務省は2月9日、衆院選と同時に実施された最高裁裁判官の国民審査の開票結果を発表し、対象の裁判官2人がともに信任されたことを明らかにしました。罷免を求める票はいずれも有効票の過半数に達せず、両裁判官はその職務を継続することになります。
罷免率が過去2番目の高さに
今回の国民審査では、罷免を求める票の割合が全体で13.94%となり、これは1980年の14.38%に次いで過去2番目に高い数値です。特に、高須順一氏(66歳、弁護士出身)では14.15%、沖野真已氏(62歳、学者出身)では13.73%と、いずれも高い割合を示しました。この結果は、46年ぶりに罷免率が顕著に上昇したことを意味しており、有権者の関心の高まりを反映していると分析されています。
SNSでの動きが関心を後押し
近年、国民審査ではSNSを活用した投票呼びかけが活発化しており、これが有権者の意識向上に寄与している可能性が指摘されています。2024年の前回審査では、34年ぶりに全体の罷免率が10%を上回り、今回さらにその傾向が進展したとみられます。投票者数は約5546万人で、投票率は53.74%と、前回の53.64%からほぼ横ばいでしたが、SNSを通じた情報拡散が投票行動に影響を与えた可能性が議論されています。
国民審査の制度と歴史的背景
国民審査は日本国憲法に規定された制度で、最高裁裁判官がその職責にふさわしい人物かを有権者が直接チェックする機会を提供しています。1949年の初回実施以来、今回で27回目を数え、延べ198人が対象となりましたが、これまでに罷免された例は一度もありません。この制度は司法の民主的コントロールを目的としており、近年のSNSの普及により、より多くの有権者が審査に関与するようになったことが、罷免率の上昇につながっていると専門家は見ています。
今回の結果は、司法に対する国民の監視意識が高まっていることを示唆しており、今後の審査動向に注目が集まっています。SNSなどのデジタルプラットフォームが政治参加を促進する役割を果たす中、国民審査の重要性が再認識されるきっかけとなるかもしれません。