名古屋市の2026年度当初予算案が発表 一般会計は10年連続で過去最大を更新
名古屋市は2月10日、2026年度の当初予算案を正式に発表しました。一般会計の規模は前年度当初比で4.9%増加し、1兆6960億円に達しました。これは10年連続で過去最大の予算額を更新するもので、市の財政運営における大きな節目となっています。
アジア・アジアパラ大会関連経費が大幅に膨張 累計負担は4倍超に
歳出の目玉となるのが、2026年9月から10月にかけて開催されるアジア・アジアパラ競技大会(愛知・名古屋大会)関連の経費です。今回の予算案では大会関連に846億円を計上しており、選手団の宿泊・輸送費用、大会組織委員会への負担金、施設整備費などが含まれています。
特に注目されるのは、大会関連の累計負担額が1019億円に達している点です。これは当初公表されていた243億円と比較すると、4倍以上も膨れ上がった計算となります。広沢一郎市長は記者会見で「アジア・アジアパラ全力予算だ」と説明し、大会成功に向けた強い決意を示しました。
物価高騰が福祉・医療経費を押し上げ 歳入面では市税収入が増加
予算拡大の背景には、物価高騰の影響も大きく関わっています。福祉や医療関連の経費がかさむ中、市民生活を支える施策に必要な財源が増加しています。また、リニア中央新幹線の開業を見据えた名古屋駅周辺のまちづくりには35億円を計上し、都市インフラの整備を推進します。
教育分野では、国に先駆けて中学2年生の35人学級を実施するため、教員増員や教室整備などに5億円を充てる方針です。
歳入面では、市税収入が前年度比3.4%増の6900億円を見込んでいます。個人市民税や固定資産税の増収が主な要因で、市税は歳入全体の約4割を占める見通しです。
財源不足を補うため公債償還基金から440億円を繰り入れ
一方で、財源不足を補うため、将来の借金返済に備える「公債償還基金」から440億円を繰り入れる措置を講じます。同基金からの借り入れは2004年度以来、実に22年ぶりのことで、市の財政運営における特異な状況が浮き彫りになりました。
名古屋市の予算案は、大規模国際イベントの開催と物価高騰という二つの要因が重なり、記録的な規模に膨らんだ形です。今後は議会審議を経て正式決定される見込みで、市民生活や地域経済への影響が注目されます。