東京都が消費税未納問題で職員5人を処分 20年以上の放置で延滞税も発生
都営住宅の消費税未納で職員5人処分 20年以上放置

東京都が消費税未納問題で職員5人を懲戒処分 20年以上の放置が発覚

東京都は10日、特別会計の都営住宅等事業会計において消費税が20年以上にわたり未納だった問題について、監察の調査結果を公表するとともに、関係職員5人に対する懲戒処分を発表した。小池百合子知事の指示による調査で明らかになった組織的な不備に対し、厳正な対応が取られた。

税理士の指摘を放置した担当課長らが処分対象に

都の発表によると、処分対象となったのは2024年度の担当課長と2025年度の住宅政策本部長ら4人。特に担当課長は、税理士法人から「納税義務者になる可能性があるため、過去の消費税について確認が必要」との指摘を部下から報告されながら、適切な対応を取らずに放置したとして、停職5日の懲戒処分を受けた。

調査報告書には、この担当課長が税理士の指摘を認識しながらも何らの措置も講じなかった経緯が詳細に記録されている。その後、遅延によって生じた延滞税の半額に相当する約92万円を自主的に弁償していることも明らかになった。

20年以上の未納が発覚した経緯

都営住宅の特別会計では、住宅に設置された太陽光発電の余剰電力売電やコインパーキング事業などが消費税の課税対象となっている。しかし、2001年度までは一般会計で扱われていたため、関係職員の間で消費税の申告・納付が必要という認識が欠如していた。

問題が表面化したのは2025年5月、インボイス制度の導入に伴い東京国税局から過去の対応について照会があったことがきっかけだった。都は直ちに内部調査を開始し、長期にわたる未納の実態を把握することとなった。

約1億3642万円を納付 過去分は時効に

都の調査結果を受けて、2019年度から2022年度までの消費税および延滞税など、合計約1億3642万円を納付した。それ以前の分については時効が成立しているため、追徴課税の対象とはならなかった。

今回の処分について、都の関係者は「税務処理における基本的なチェック体制の不備が露呈した。再発防止に向けて組織全体の意識改革を進める」とコメントしている。監察報告書では、税理士からの指摘を適切に処理するプロセスの確立が急務であると指摘されている。

この問題は、地方自治体の特別会計における税務管理の在り方に疑問を投げかける事例となった。都は今後、類似の事業会計についても税務処理の見直しを進める方針を示している。