最高裁判事国民審査、対象2人とも解職されず 「×」印は13%超え
最高裁判事国民審査、2人とも解職されず 「×」印13%超

最高裁判事国民審査、対象2人とも解職されず 「×」印は13%超え

総務省は9日、8日に行われた最高裁判所裁判官の国民審査の結果を発表した。対象となった裁判官2人はいずれも解職されなかった。約5546万人が投票に参加し、投票率は53.74%を記録した。前回の審査では53.64%だったため、わずかながら上昇している。

国民審査の詳細な結果

国民審査では、投票用紙に×印を記入し、それが有効票の半数を超えると裁判官は解職される仕組みだ。何も書かなければ信任とみなされる。今回の審査では、昨年3月に就任した高須順一氏(弁護士出身、第二小法廷)に対して×印が14.15%、昨年7月に就任した沖野真已氏(学者出身、第三小法廷)に対しては13.73%だった。具体的な票数では、高須氏が766万4301票、沖野氏が743万5647票の×印を集めた。

制度の歴史と課題

最高裁判事の国民審査は1949年に第1回が実施されて以来、解職された裁判官は一人もいない。×印の割合が最も高かったのは1972年の15.17%で、今回の結果はそれに近い水準となった。この制度は、国民が司法を監視する重要な機会と位置づけられているが、形骸化しているとの批判も根強い。多くの有権者が審査の存在自体を知らないか、関心を持たないため、投票行動が消極的になりがちだ。専門家からは、審査の意義を周知し、より活発な議論を促す改革が必要だと指摘されている。

今回の審査は、衆議院選挙と同日に実施された。投票率の上昇は、選挙への関心が高まった影響とみられるが、国民審査自体への注目度は依然として低いままだ。制度の課題として、裁判官の業績や判断を評価する情報が不足している点も挙げられる。国民が適切な判断を下すためには、より透明性の高い情報提供が不可欠である。

今後も、国民審査が実質的な意味を持つかどうかは、社会の関心と制度の改善次第だ。解職者がいない現状を踏まえ、司法と民主主義の接点を強化する方策が求められている。