衆院選「1票の格差」最大2.10倍で全国一斉提訴 弁護士グループが選挙無効を要求
衆院選「1票の格差」最大2.10倍で全国一斉提訴

衆院選「1票の格差」最大2.10倍で全国一斉提訴 弁護士グループが選挙無効を要求

衆議院選挙における「1票の格差」問題が再び司法の場に持ち込まれました。人口比例に基づかない区割りで実施された今回の衆院選は憲法違反であるとして、弁護士グループが2月9日、選挙の無効を求める訴訟を仙台高等裁判所秋田支部や大阪高等裁判所などに一斉に提訴しました。残る12の高等裁判所や支部にも順次提訴する予定で、早ければ2026年度中にも高裁・支部の判決が出そろい、最高裁判所が統一判断を示す見通しとなっています。

弁護士グループが憲法上の価値を主張

秋田支部前で取材に応じた原告側の小川尚史弁護士は、「投票価値の平等は重要な憲法上の価値だ」と強調しました。さらに、「不平等は是正されなければならず、司法にはしっかりとメッセージを出してほしい」と訴え、格差是正に向けた司法の積極的な役割を期待する姿勢を示しました。この提訴は、有権者間の投票価値の平等を求める長年の課題に新たな展開をもたらす可能性があります。

最大格差は2.10倍 有権者数に大きな開き

今回の衆院選の最大格差は、公示日前日の1月26日時点の有権者数に基づく共同通信の試算で、2.10倍に達しています。具体的には、有権者数が最多の選挙区は北海道3区(札幌市の一部)で46万2999人だったのに対し、最少は鳥取1区(鳥取市など)で22万820人でした。この数値は、前回2024年の衆院選の最大格差2.06倍を上回り、2021年選挙の2.08倍よりもさらに拡大しています。

過去の選挙では、人口比を正確に反映しやすい議席配分方法である「アダムズ方式」を採用し、「10増10減」などの措置を受けた新区割りで実施されましたが、それでも格差の完全な是正には至っていません。今回の提訴は、こうした構造的な問題に対する司法の判断を求める動きとして注目されています。

全国的な訴訟展開と今後の見通し

弁護士グループは、大阪高等裁判所などに提訴した後、残る12の高等裁判所や支部にも同様の訴訟を提起する計画です。これにより、全国的に「1票の格差」問題が司法審査の対象となることが期待されます。訴訟の進行次第では、早ければ2026年度中にも各高裁・支部の判決が出そろい、最高裁判所が統一判断を示す可能性が高いと見られています。

この問題は、民主主義の根幹をなす選挙制度の公正性に関わるため、今後の判決動向が政治や社会に与える影響は小さくありません。弁護士グループの行動は、有権者の平等な投票権を守るための重要な一歩として評価されるでしょう。