野党共闘の課題が顕在化、競合選挙区で自民に敗北
衆議院選挙において、国民民主党と中道改革連合は、289の小選挙区のうち46選挙区で候補者を競合させた。しかし、いずれの選挙区でも自民党に敗北を喫する結果となった。両党の得票数を合計すると、15選挙区で自民党を上回っており、与党に対抗するための野党共闘のあり方に大きな課題を残すことになった。
競合による票の分散が敗北の一因に
国民民主党の玉木代表は10日の記者会見で、「100人以上の候補者を立てて踏ん張ったからこそ、現有議席を1議席増やすことができた」と強調した。国民民主党は今回の選挙で、公示前の27議席から28議席に増加させた。比例選では、前回の2024年衆院選から3議席増の20議席を獲得しており、小選挙区での積極的な候補者擁立が比例票の掘り起こしにつながったと分析されている。
一方、比較第1党を目指した中道改革連合は小選挙区で202人を擁立し、国民民主党も102人を擁立した。このうち46選挙区で両党が競合し、票が分散したことが敗北の一因となった。特に、15選挙区では、両党が共闘していれば自民党候補に勝利できていた可能性が高い。
首都圏を中心に逆転の可能性あった選挙区
例えば、東京11区では、当選した自民党の下村博文・元文部科学相が6万9077票を獲得したのに対し、中道改革連合の前議員と国民民主党の新人の得票は合計9万1446票と、約2万2000票上回った。また、高市首相(自民党総裁)が選挙戦最終日の7日に「マイク納め」の場所に選んだ東京5区でも、中道改革連合と国民民主党の候補の合計得票が、当選した自民党の若宮健嗣・元万博相を2226票上回った。
これらの逆転可能な15選挙区は、東京、千葉、神奈川などの首都圏がほとんどを占めており、中道改革連合内部からは「候補者を一本化できていれば勝てた」との悔しさの声が漏れている。選挙直前に中道改革連合が結成されたことも、共闘の準備が整わなかった要因として指摘されており、落選者からは「戦術と戦略の両面で問題があった」との批判が出ている。
連合からの要請と党内の意見対立
両党の支持団体である連合の芳野友子会長は9日の記者会見で、「候補者調整をしてほしいという考え方は変わらない。引き続き要請したい」と注文を付けた。今回の選挙では、福井1区で、中道改革連合が擁立した自治労の組織内候補の前議員に対し、国民民主党が新人を立てたことで、連合が抗議文を出すという不協和音も生じた。
しかし、さらなる党勢拡大を目指す国民民主党は、玉木代表が「野党で一本化して自民党に勝てるのか」と述べるなど、野党共闘に否定的な姿勢を示している。今回、中道改革連合の前議員らが大量に落選したことで、全国各地に「空白区」が生まれたこともあり、国民民主党の幹部からは「次回の選挙では気にすることなく、堂々と積極的に候補者を擁立できる」との声も上がっている。
今後の野党共闘の行方に注目
今回の選挙結果は、野党間の協力体制の重要性を浮き彫りにした。競合による票の分散が自民党の勝利を助長した可能性があり、今後の選挙戦略において、候補者調整や政策連携が課題となる。国民民主党と中道改革連合の動向は、2026年以降の政治情勢に大きな影響を与えることが予想される。