三重3区「民主王国」崩壊 中道の岡田克也氏、30年守った議席を自民に奪われる
2026年2月9日午前0時過ぎ、テレビの開票速報が三重3区の中道前職・岡田克也氏(72)の敗北確実を伝えると、四日市市中村町の公民館に集まった支援者ら約40人は水を打ったように静まり返った。その後登場した岡田氏は「今日までお支えいただいた皆さんに対し、本当に申し訳なかった」と謝罪の言葉を述べた。
小選挙区で30年間守り続けてきた議席を初めて自民党候補に奪われ、旧民主系の牙城とされていた「王国」は完全に崩壊した。この結果は、かつて民主党政権の強固な地盤として知られた三重県の政治地図が大きく塗り替えられたことを意味している。
「高市さんと戦っているようだ」と厳しい感触
選挙戦では岡田氏が「放っておいたらこの国はどんどん右に行ってしまう。真ん中に政治を戻す『中道政治』が大事」と高市政権を批判。財政政策の転換や、米国や中国などとの戦略的な外交を訴え続けた。
しかし、報道各社の情勢調査で自民党元職との接戦が報じられると、岡田氏は選挙区に張り付いて精力的な活動を展開。陣営幹部は「有権者の反応はいつも通り。『風なき風』で情勢は全く分からない」と困惑気味の表情を見せていた。
岡田氏自身も「相手候補ではなく、高市さんと戦っているようだ」と厳しい感触を持っていたことを明かした。これは、国政レベルの政権批判が地方選挙に直接影響を与えたことを示唆する発言として注目される。
組織力と知名度では及ばず
組織力や知名度で高齢者層の支持を固めた一方で、若年層や支持政党なし層への広がりを欠いたことが敗因の一つと分析されている。岡田氏は長年にわたる地元での実績と全国的な知名度を背景に、三重3区で不動の地位を築いてきたが、今回の選挙ではその強みが十分に機能しなかった。
「多くの仲間を失った。次の選挙に向けて、私の立場で努力する」と語った岡田氏は、会場を静かに後にした。30年間維持してきた議席を失ったことで、今後の政治活動の方向性が注目される。
三重県の政治地図が大きく変化
今回の選挙結果は、三重県全体の政治状況にも大きな影響を与えた。自民党が小選挙区を独占する中、中道勢力の重鎮である岡田氏の敗北は、同県における政治勢力の再編を象徴する出来事となった。
かつて「民主王国」と呼ばれた三重県は、今回の選挙でその面影をほとんど失い、全国的な政治潮流に飲み込まれる形となった。政治評論家の間では、この結果が今後の国政選挙にどのような影響を与えるか、活発な分析が始まっている。