神奈川衆院選、自民党が小選挙区20議席を初めて独占
2026年2月8日に投開票が行われた衆院選において、神奈川県内の全当選者が確定した。比例南関東ブロックの復活当選を含め、自民党が小選挙区で20議席を初めて独占する歴史的な結果となった。これは公示前の9議席から大幅に増加し、県内第1党の座を奪還したことを意味する。
投票率は55.65%、前回比1.12ポイント上昇
今回の選挙における神奈川県の投票率は55.65%を記録し、前回選挙から1.12ポイント上昇した。有権者の関心が高まる中、自民党は前職13人と新人7人の全員が当選を果たした。特に注目すべきは、1区、4区、6区、7区、8区、9区、12区、13区、16区、18区、20区の11選挙区で、前回選挙で立憲民主党が獲得していた議席を奪取した点である。
中道改革連合は苦戦、比例復活で3議席確保
一方、2024年の前回選挙で11議席を獲得し躍進した立憲民主党は、公明党との新党・中道改革連合として16人の候補を擁立したものの、小選挙区では全議席を失う結果となった。比例代表では4区、9区、16区の前職3人が復活当選を果たしたが、公示前に自民党と同数の14人いた県内の衆院議員は大幅に減少した。
中道改革連合の苦戦は顕著で、2005年から7回連続で小選挙区当選を続けていた8区の江田憲司氏(69)や、当選9回の12区の阿部知子氏(77)も議席を失った。この結果は、新党としての知名度や政策理解が十分に浸透しなかったことを示唆している。
維新と国民民主党は比例復活で議席維持
日本維新の会は10区の前職と18区の新人が比例復活当選し、県内議席を1増やした。国民民主党は前回選挙と同様に18区と19区の前職が比例復活し、県内2議席を維持した。その他の野党は苦戦を強いられ、選挙区での議席獲得には至らなかった。
選挙区別の動向と候補者の声
9区では、小選挙区で6連勝中だった中道改革連合の前職・笠浩史氏(61)が、自民党新人の上原正裕氏(47)に約3500票差で惜敗。比例代表で辛くも9選を果たした笠氏は、「中道の旗を立てたが、短い時間の中で受け入れてもらえなかった」と敗因を分析し、「落選した仲間の分までしっかりと働きたい」と捲土重来を誓った。
10区では、自民党の田中和徳氏(77)が県内最多となる連続11回目の当選を達成。国の指定難病を抱えながらの選挙戦を乗り越え、「皆さんのおかげで当選できた」と感謝の意を表明した。田中氏は年齢を踏まえ引き際を示唆しつつ、「川崎でも課題山積。人々の生活を守る挑戦をする」と決意を述べた。
19区の国民民主党前職・深作ヘスス氏(41)は比例復活当選を果たしたものの、小選挙区での敗北を悔やみ、「大逆風の中で良い戦いができたのは皆さんのおかげ」と語った。深作氏は、自民党が300議席超える衆院となる中で、「与党が大多数でも、私たちの政策を訴えなければ」と今後の活動に意欲を見せた。
4区では、中道改革連合の前職・早稲田夕季氏(67)が自民党新人に競り負けたが、比例復活で議席を守った。早稲田氏は「『高市首相旋風』のすごさを思い知らされた」と振り返り、政権の右傾化への危機感を強める一方で、「リベラルの火を消さない」と訴えた。
8区では、過去8回当選していた中道改革連合の江田憲司氏が小選挙区で敗北し、比例復活も果たせなかった。江田氏はフェイスブックで「力不足、不徳のいたすところ」と謝罪の意を表明した。
歴史的な選挙結果の背景
1996年の小選挙区制導入以降、自民党が神奈川県内で獲得した最多議席数は2005年の「郵政選挙」時の16議席だった。当時は18選挙区で争われ、連立を組んでいた公明党が1議席を得て、自公両党で合計17議席を獲得していた。今回の20議席独占は、その記録を大幅に上回る歴史的な成果となった。
この結果は、自民党が県内で強固な地盤を築いたことを示すと同時に、中道改革連合をはじめとする野党陣営が苦境に立たされた選挙となった。今後の政治動向において、与党の圧倒的多数が政策形成にどのような影響を与えるかが注目される。