自民党、埼玉県全16選挙区を初独占 高市首相人気が追い風に
自民党、埼玉全16区を初独占 高市人気が追い風

自民党、埼玉県全16選挙区を初めて独占 歴史的な勝利を達成

2026年2月8日に投開票された衆院選で、自民党は埼玉県内の全16選挙区で勝利を収め、小選挙区制が導入された1996年以降、初めて1党による県内全区の独占を実現しました。この結果は、自民党にとって歴史的な大勝となり、選挙戦の詳細な振り返りが行われています。

高市首相の人気が「ハリケーン」級の影響力に

第14区で初当選を果たした自民党の藤田誠氏は、選挙後の9日早朝、草加駅前で晴れやかな表情を見せ、「地元のために頑張ります」と述べ、通行人に繰り返し頭を下げました。読売新聞の取材に対し、藤田氏は「時間がない中、信じて1票を投じてもらえた。しっかり仕事をして恩返しをしたい」と語り、選挙戦の厳しさを振り返りました。

第14区では、前回衆院選で公明党の代表だった石井啓一氏が立候補していましたが、今回は自民党が公明党との連携を模索し、擁立を見送ってきました。中道改革連合の結成により公明党との連携が難しくなった後、候補者探しが始まり、藤田氏の公認が内定したのは1月18日で、投開票まで1か月を切る状況でした。

満足な準備ができないままの選挙戦でしたが、結果は国民民主党の前議員に約7000票差をつける勝利となりました。陣営幹部は「無名の新人が当選4回の対抗馬に勝つ。『高市旋風』どころではなくハリケーンだ」と、高市首相の人気が大きな追い風となったことを強調しました。

演説会に1万2000人が集結 高市首相の訴えが熱気を生む

高市首相は3日に埼玉県内を遊説し、5か所で演説を行いました。平日午後にもかかわらず、演説会場の一つである北浦和公園(さいたま市浦和区)には、主催者発表で1万2000人もの聴衆が集まり、熱気に包まれました。

高市首相は自民党候補について、時折関西弁を交えながらエピソードを紹介し、「高市政権に必要な人材」と訴えました。演説後には、動画や写真が高市首相のX(旧ツイッター)などに投稿され、拡散されました。

聴衆の中には「さなえさん ありがとう」と書かれたボードを掲げる人もおり、会場は熱狂的な雰囲気に包まれました。会社の昼休みを利用して演説を聴きに来た20歳代の会社員女性は、「早苗さんの話し方に力強さと親しみやすさを感じる。自然と応援したくなる」と好感を持った様子でした。

小選挙区全勝の要因について、自民党県連会長の古川俊治氏は9日、「高市人気をもとに、県内の地方議員と候補者が一体となって活動できたことが一番大きい」と満足げに振り返りました。

日本維新の会は苦戦 連立の壁が党勢拡大を阻む

一方、自民党と連立を組む日本維新の会は苦戦を強いられました。全国的には公示前勢力を上回りましたが、埼玉県内では、現職だった県総支部代表の高橋英明氏を含む4人全員が落選し、比例復活もならなかったのです。

維新の会の候補者や応援に来た幹部らは、演説で連立を組む自民党の高市首相に言及しましたが、批判は避けるなど、微妙な立ち位置での選挙戦を余儀なくされました。

全国政党化を目指す維新の会が今後、党勢拡大を目指して擁立を進めようとすると、現職の自民党候補の存在が障壁となる可能性が高いです。高橋氏は「自民と連立を組んでいる限り、全国政党化は難しい」とこぼしました。

無党派層や野党支持層にも自民党が浸透 出口調査で明らかに

8日の投開票に際し、読売新聞社は投票を終えた人への出口調査を実施しました。埼玉県内では、自民党が自民支持層を固め、無党派層や野党の支持層にも浸透していたことが明らかになりました。一方、中道改革連合は無党派層からの支持が限定的でした。

小選挙区では、前回2024年衆院選で8議席だった自民党が全16議席を独占しました。前回選挙では立憲民主党が6議席、国民民主党が2議席を獲得していましたが、今回は中道改革連合と国民民主党が議席を逃しました。

調査結果によると、投票した人のうち自民党支持は35%、中道改革連合支持は10%、国民民主党支持は7%、参政党支持は5%、支持政党がない無党派層は22%でした。

自民党は支持層の82%を固め、中道改革連合は76%を固めました。無党派層の投票先では、自民党が42%で前回の19%から倍増し、中道改革連合は28%で前回の立憲民主党の41%から減少しました。自民党は国民民主党支持層の37%、参政党支持層の33%も獲得しました。

投票の際に参考にしたメディアとして「SNS・動画投稿サイト」を選んだ人のうち、54%が自民党を投票先に選び、中道改革連合は13%でした。SNSを駆使してきた参政党は11%、国民民主党は10%でした。この出口調査は、NHKや日本テレビ系列各局と共同で実施されました。