大阪ダブル選で大量の無効票が発生、市長選は13%超に
大阪府知事選と大阪市長選の出直しダブル選が2026年2月8日に投開票され、吉村洋文氏が知事に、横山英幸氏が市長に再選した。しかし、この選挙では白票を含む大量の無効票が記録され、特に市長選では投票総数の13.77%に達した。有力な対立候補が不在だったことから、識者からは選挙結果の正統性を疑問視する声が上がっている。
無効票の急増と投票率の推移
府選挙管理委員会によると、知事選の無効票は41万6783票で、投票総数の10.29%を占めた。前回2023年の知事選では無効票が6万6792票(1.98%)だったため、票数は6倍以上に増加している。一方、市長選の無効票は17万620票で、投票総数の13.77%に達し、過去最多を記録した。前回の市長選では5万4586票(5.10%)だったことから、急増が顕著である。
投票率は知事選が56.43%(前回46.98%)、市長選が55.47%(同48.33%)と、前回より上昇したものの、無効票の割合が高く、選挙への関心の質が問われる結果となった。
出直し選挙の背景と批判
このダブル選は、吉村氏と横山氏が「大阪都構想への再挑戦の信を問う」として任期途中で辞職し、改めて立候補した出直し選挙として実施された。準備期間が極めて短く、知事選は辞職表明から1週間後、市長選は10日後に告示された。主要政党は「大義がない」として候補者擁立を見送り、有力な対立候補が不在だった。
辞職した候補が再選しても任期は来年4月まで変わらず、選挙費用は合わせて約28億円に上る。このため、「無駄な出費」との批判も選挙戦中に噴出した。
学者による正統性への疑問
大阪経済大学の秦正樹准教授(政治心理学)は、「都構想の賛否に対応した有力な対立候補がいない選挙の結果から『民意を得た』と主張するのは無理がある」と指摘する。この見解は、選挙の正当性に疑問を投げかけるものだ。
過去の事例として、2014年に当時の橋下徹大阪市長が任期途中で辞職して出直し市長選を実施した際も、主要政党は候補を立てず、投票率は過去最低の23.59%にとどまった。無効票は投票総数の13.53%を占める6万7506票にのぼり、今回の状況と類似点が見られる。
開票結果の詳細
大阪府知事選の開票結果は以下の通り:
- 吉村洋文:3,024,106票(得票率83.25%) - 当選
- 大西恒樹:452,807票(12.46%)
- 納藤保:155,855票(4.29%)
- 無効票:416,783票(10.29%)
大阪市長選の開票結果は以下の通り:
- 横山英幸:830,257票(得票率77.69%) - 当選
- 林成典:97,963票(9.17%)
- 中条栄太郎:97,105票(9.09%)
- 千代知洋:23,915票(2.24%)
- ネペンサ:19,489票(1.82%)
- 無効票:170,620票(13.77%)
この結果、吉村氏と横山氏は再選を果たしたが、大量の無効票と対立候補の不在により、その政治的正当性には今後も議論が続きそうだ。