トランプ政権、NATO司令部ポストを欧州に委譲へ…防衛責任の分担強化を意図
トランプ政権、NATO司令部ポストを欧州に委譲へ

【ワシントン=阿部真司】ロイター通信は9日、米国のトランプ政権が北大西洋条約機構(NATO)の統合軍司令部トップのポストを欧州側に委譲する方針を固めたと報じた。これは、欧州により大きな防衛上の責任を担わせたいというトランプ米大統領の意向を反映した動きとみられている。

委譲対象となる司令部ポスト

NATOは現在、三つの統合軍司令部を運営しており、今回の委譲対象となるのは、イタリア・ナポリと米バージニア州にある司令部の司令官ポストである。残りの一つはオランダに所在しており、すでに司令官はドイツ軍高官が就任している状況だ。

トランプ政権の消極的な姿勢

トランプ政権は、NATOへの関与に対して一貫して消極的な姿勢を示してきた。具体的には、ウクライナへの軍事支援調整役からの撤退を決定し、さらに駐欧米軍の段階的な削減も計画しているとされる。NATO当局者はロイターに対し、「欧州の同盟国がより大きな役割を果たすことになる」と説明しているという。

欧州連合軍最高司令官は米軍が継続

一方で、NATOの制服組トップである欧州連合軍最高司令官については、引き続き米軍高官が担当するとみられている。米軍準機関紙「星条旗新聞」によれば、米国防総省高官が、12日に開催されるNATO国防相理事会において、欧州における将来的な米軍のあり方について詳細な説明を行う予定だ。

この動きは、トランプ政権が欧州側に防衛責任を分担させることで、自国の負担軽減を図る戦略の一環として位置づけられる。国際的な安全保障環境の変化を背景に、NATO内部での役割分担の見直しが進められている状況が浮き彫りになっている。