住友生命、出向先8金融機関から780件の内部情報を無断持ち出し
住友生命、出向先8金融機関から780件の内部情報持ち出し

住友生命保険、出向先8金融機関から780件の内部情報を無断持ち出し

住友生命保険は2月9日、社員13人が出向先の8金融機関から合計780件の内部情報を無断で持ち出していた事実を公表しました。この問題は、日本生命保険で同様の事例が2025年7月に発覚したことを受けて実施された社内調査によって明らかになりました。

調査の詳細と発覚した事実

住友生命は、2022年4月から2025年10月までの期間を対象に、出向経験のある115人の社員を調査しました。その結果、13人の社員が銀行などの8つの金融機関から、保険の販売実績や他社生命保険会社の情報を含む計780件の内部資料を無断で持ち出していたことが判明しました。

出向者は私用のスマートフォンで資料を撮影したり、直接持ち出したりする方法で情報を入手。これらの情報は本社の代理店部門の役員や社員に共有されていたとされています。一部の情報は担当役員にも伝えられていましたが、会社側は組織的な指示や所得情報の不正利用については否定しています。

会社の対応と謝罪

住友生命はこの問題について、「多大なご迷惑をおかけし深くおわびする」と謝罪しました。同社は、本社側からの依頼に安易に応じる形で情報が持ち出された可能性を示唆しながらも、体系的な指示や悪用はなかったと強調しています。

この発表は、金融業界における内部情報管理の脆弱性を浮き彫りにする事例となりました。近年、生命保険会社を中心に、出向先からの情報無断持ち出し問題が相次いで発覚しており、業界全体のコンプライアンス体制が問われる事態となっています。

業界全体への波及と背景

住友生命の事例は、日本生命保険で2025年7月に判明した同様の問題を受けた調査から発覚しました。この背景には、競合他社の動向や販売実績に関する情報収集への過度な圧力が存在している可能性が指摘されています。

金融機関間の出向制度は人材交流や知識共有を目的としていますが、機密情報の管理が不十分な場合、こうした問題が生じるリスクがあります。住友生命のケースでは、出向先での業務と本社での情報需要が交錯し、適切な境界線が曖昧になったことが要因の一つと考えられます。

同社は再発防止策として、情報管理の徹底と社員教育の強化を図ると表明していますが、業界全体としての抜本的な対策が求められる状況です。