米子市議の収賄事件で市民に衝撃 湊山公園の猿頭数巡り100万円授受
鳥取県米子市議の稲田清容疑者(56)が、湊山公園で飼育されている猿の頭数を減らすよう働きかける見返りに現金100万円を受け取った受託収賄容疑で、県警に送検された。事件が明らかになった8日、関係者の間には大きな衝撃が広がり、市民からは事件の全容解明を求める声が相次いでいる。
事業体元代表も贈賄容疑で書類送検
県警は同日、稲田容疑者を受託収賄容疑で送検したほか、公園の指定管理業務を請け負っていた事業体の元代表である米子市の70歳代の男性を贈賄容疑で書類送検した。発表によると、稲田容疑者は2024年6月、この男性から公園で飼育する猿の頭数を減らすように市議会で発言するなどの見返りとして、現金100万円を受け取った疑いが持たれている。
湊山公園の施設では、猿が飼育されており、その頭数を減らすことが請託の対象となったとされる。市などによれば、昨年度には猿15頭が県外の3社に譲渡されたという。
市民からは憤りと戸惑いの声
事件を受け、市民の間には戸惑いと憤りの声が広がった。米子市東町の80歳代の無職男性は「立場を利用してそういうことをしてはだめ。市議がそんなことしていたのなら、いいかげんにしてほしい」と強い憤りを表明した。
同市三本松の会社員女性は「本当であれば、市民の税金をなんだと思っているのか。人間の都合で譲渡され、猿の気持ちを考えるとかわいそう」と語り、動物への配慮も訴えた。
同市大崎の72歳の女性は「4期もしている人なら、何か他の手立てがなかったのか考えてほしかった。事件に至った経緯が知りたい」とため息をつき、事件の背景に対する疑問を投げかけた。
市議会議長が陳謝 会派は消滅
米子市役所では、市議会の岡田啓介議長が記者会見を開き、「市民の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしていることに、心からおわび申し上げる」と陳謝した。
稲田容疑者については「非常に勉強熱心な方で、このような事件とは、私のイメージの中ではまったく結びつかなかった」と説明し、事件の認識はなかったと述べた。金銭の受け渡しがあったとされる2024年6月以降も、容疑者の言動に不審な点を感じたことはなかったという。
市議会としての対応については「詳しい状況が明らかになり次第、ほかの議員と協議する」と述べ、「市民からすれば『1人の議員がしたこと』とは見られないと思う。市議会として信頼回復できるよう、最大限努力していく」と語った。
一方、稲田容疑者が代表を務める市議会会派「蒼生会」(5人)の4議員が8日、岡田議長に脱退を届け出た。これにより、蒼生会は「2人以上」という会派の構成要件を満たさなくなり、消滅した。
この事件は、地方政治における信頼性に深刻な疑問を投げかけ、市民の間で大きな波紋を呼んでいる。今後の捜査の進展と市議会の対応が注目される。



