岸田首相、防衛費増額で「専守防衛」堅持を強調 安全保障政策の基本方針を表明
岸田首相、防衛費増額で「専守防衛」堅持を強調

岸田首相、防衛費増額と「専守防衛」堅持を両立させる方針を表明

岸田文雄首相は2月12日、防衛費の増額を進める一方で、日本の安全保障政策の基本原則である「専守防衛」を堅持する姿勢を明確に示した。首相は記者会見で、国際情勢の緊迫化に対応するため防衛力の強化が必要だと述べつつ、憲法の枠組み内での対応にこだわる考えを強調した。

防衛費増額の背景と目的

首相は、中国や北朝鮮を中心とした地域の安全保障環境が急速に悪化していることを指摘。これに対処するため、防衛費を段階的に増額し、ミサイル防衛能力やサイバー防衛などの分野で投資を拡大する方針を説明した。具体的には、2025年度以降の防衛予算をGDP比2%程度に引き上げる目標を掲げ、長期的な計画に基づいた装備の近代化を進める考えを示した。

しかし、首相は防衛力強化が「専守防衛」の原則と矛盾しないよう、慎重なアプローチを取る必要性を訴えた。「我が国はあくまで自衛のための必要最小限の防衛力に限定し、他国を脅かすような軍事大国化は目指さない」と述べ、憲法第9条の解釈に沿った政策を堅持する姿勢を明確にした。

憲法の枠組み内での対応を重視

岸田首相は、防衛費の増額が憲法違反にならないよう、以下の点を特に重視すると説明した。

  • 防衛装備の輸出に関する規制を厳格に維持し、武器の拡散を防止する。
  • 自衛隊の活動範囲を「専守防衛」の原則内に限定し、海外での武力行使を避ける。
  • 国民の理解を得るため、防衛政策の透明性を高め、議論を深める。

また、首相は安全保障政策の見直しが日米同盟の強化にも寄与すると指摘。米国との連携を深めつつ、日本の独自性を保つバランスの重要性を強調した。これにより、地域の安定に貢献することを目指すと述べた。

今後の課題と展望

岸田首相は、防衛費の増額が財政負担を伴うことから、国民の支持を得るための努力が必要だと認めた。特に、少子高齢化や社会保障費の増大といった国内課題とのバランスをどう取るかが今後の焦点になるとの見解を示した。

さらに、国際社会からは日本の防衛力強化に対して懸念の声も上がっていることを踏まえ、外交努力を通じて透明性を高め、誤解を解くことが重要だと述べた。首相は、「安全保障は国民全体の課題であり、幅広い議論を重ねながら進めたい」と結び、今後の政策展開に期待を寄せた。