東京電力福島第1原発事故を受けて韓国が実施している日本産水産物の輸入規制撤廃に向け、日本政府が実務レベルでの定期的な協議を韓国側に新たに打診していたことが7日、複数の日韓政府関係者への取材で明らかになった。
協議の狙いと背景
日本政府は、良好な日韓関係を背景に、協議を通じて韓国内に日本産水産物の安全性に対する安心感を醸成し、規制撤廃に向けた環境整備を進めたい考えだ。韓国側からは明確な返答はなく、実現は不透明な状況だが、日本政府は懸案解決を目指す方針を堅持している。
一方、韓国国内にはなお慎重な世論が根強く、撤廃の最終判断は李在明大統領の政治判断に委ねられるとの見方が強い。
協議の具体的内容
日韓関係筋によると、新たな対話は、日本側が農林水産省、韓国側は食品医薬品安全庁を想定している。実現すれば、日本側の安全管理体制や放射性物質に関する科学的知見などについて意見交換が行われるとみられる。日本側は、この協議を日本産水産物の品質や魅力を発信する機会としても活用したい考えだ。
現在の規制状況
韓国政府は福島第1原発事故後、青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、千葉の8県の水産物輸入を停止している。この規制は長年にわたり続いており、日本産水産物の輸出拡大の障害となっている。
今回の協議打診は、日韓首脳会談が行われた5月の後、両国関係の改善ムードを活用した動きとみられる。政府は科学的根拠に基づく安全性の訴求と、韓国国内の世論対策を両立させる難しさに直面している。



