イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は5月31日、イスラエル軍がレバノン南部の戦略的要衝であるボーフォート城を制圧したと正式に発表した。同城の掌握は、イスラエルにとって約四半世紀ぶりの出来事となる。親イラン武装組織ヒズボラが拠点を置くレバノンでの軍事作戦の拡大に伴い、イスラエルは占領地域を急速に広げつつある。
「劇的な転換点」と首相が強調
ネタニヤフ首相は声明の中で、ボーフォート城の制圧を「劇的な転換点」と位置づけ、その戦果を強調した。さらに、「ヒズボラの支配下にあった地域を掌握するよう軍に指示を出した」と述べ、今後の作戦継続の意向を示した。
ボーフォート城は12世紀に建設された歴史的な要塞であり、レバノン南部を一望できる高台に位置するため、軍事戦略上極めて重要な拠点とされている。イスラエル軍は過去にも1982年のレバノン侵攻時に同城を制圧し、2000年に撤退するまで維持していた。今回の制圧は、その後の撤退以来、初めての掌握となる。
ヒズボラ側の反撃と被害状況
一方、ヒズボラは31日、イスラエル軍に対してロケット弾やドローン(無人機)による攻撃を実施したと発表した。レバノン国営通信によると、3月上旬以降、イスラエルの攻撃によるレバノン側の死者は3400人以上に達している。
イスラエルとレバノンの間では4月に一時停戦が発効したが、ヒズボラの解体を目指すイスラエルは5月下旬に地上作戦を拡大。現在も戦闘が続いている。両国間の協議は、アメリカの仲介により6月2日から行われる予定である。
この地域情勢の緊迫化は、国際社会の注目を集めており、今後の展開が注視される。



