航空機内でのモバイルバッテリー規制が大幅に強化される見通し
相次ぐ航空機内でのモバイルバッテリーの発煙・発火事故を受け、国土交通省が、機内へのモバイルバッテリーの持ち込み個数を電力量にかかわらず制限する方向で検討していることが関係者への取材で明らかになった。先行してルール改正に向けた議論が進む国連の専門機関「国際民間航空機関(ICAO)」の決定に合わせ、日本の航空法の告示を改定する方針という。
現行ルールと新たな規制案の詳細
国内では現在、モバイルバッテリーについて、カメラの電池などの「予備電池」に含めて規定している。現状では、預け入れ荷物にすることは禁止され、手荷物でも160ワット時を超えるものは禁止。100~160ワット時は2個まで、100ワット時以下は個数に制限は無い。
関係者によると、ICAOでは、予備電池とモバイルバッテリーを合わせて計2個までに制限する案が検討されている。予備電池は100ワット時以下なら個数制限はないが、モバイルバッテリーは160ワット時以上の持ち込みは引き続き禁止し、個数は電力量に限らず最大2個までに制限する方向だ。
さらに、機内での充電も禁止し、モバイルバッテリーの使用も禁止することを「推奨」する方向で検討している。これは、リチウムイオン電池の過熱や発火リスクを最小限に抑えるための措置と見られる。
国際的な動向と国内の対応スケジュール
3月中にICAOの理事会で新ルールが決まる見通しで、日本の国土交通省もこれを受けて、持ち込みに関するルールを定めた航空法の告示を改正する方針だ。改正は2026年を目処に実施される見込みである。
この規制強化の背景には、国内外で発生した航空機内でのモバイルバッテリー関連事故がある。例えば、韓国では機体半焼、27人負傷といった深刻な事例も報告されており、安全対策の緊急性が高まっている。
運輸行政の専門家は、「リチウムイオン電池は高温や衝撃で発火する危険性があり、航空機内のような密閉空間では特に注意が必要だ。今回の規制強化は、旅客の安全を最優先にした適切な対応と言える」と指摘している。
旅客への影響と今後の展望
新ルールが導入されれば、旅行者やビジネス客はモバイルバッテリーの持ち込み個数を厳密に管理する必要が生じる。特に、長時間のフライトでスマートフォンやタブレットを頻繁に使用する旅客にとっては、計画的な充電がより重要になるだろう。
国土交通省は、ICAOの決定を踏まえつつ、国内の航空会社や関連業者と連携して、周知徹底や施行準備を進める方針。安全規制の強化により、航空旅行の安全性が一段と高まることが期待されている。