文京区ル・クシネのシュークリームが大人気!焼きたてのカリッと食感と店主の哲学
文京区ル・クシネのシュークリームが大人気!焼きたての食感

文京区根津で人気のフランス菓子店「ル・クシネ」のシュークリーム

東京・文京区根津にあるフランス菓子店「ル・クシネ」のシュークリームが、下町散歩の途中に立ち寄る人々から絶大な支持を集めている。特に焼きたての「石窯シュー」(390円)は、カリッとした皮ととろりとしたクリームの絶妙なバランスが特徴だ。定休日の火・水曜を除き、毎日販売されており、営業時間は11時から21時までと長めに設定されている。

焼きたてのシュークリームは「賞味期限60秒」

店先では時折、「いまから10分間、焼きたてシュークリームを販売します。賞味期限は、60秒です。お持ち帰りはできません」というアナウンスが流れる。これは、焼きたての香りと食感をその場で味わってもらうためのこだわりだ。皮の表面にはアーモンドが散らされ、香ばしさがアクセントとなっている。一口かじると、サクッというより「カリッ」という音がするほどしっかりとした皮と、コクがありながらも軽やかなクリームが口中で調和する。

店主・鈴木孝治さんの特異な経歴

オーナーでパティシエの鈴木孝治さんは、大阪生まれで岩手育ち。子どもの頃に洋菓子を食べられなかった経験から、ケーキへの渇望を抱いていた。高校卒業後は理系企業で働きながら夜学で生産工学を学び、卒業後は青年海外協力隊としてエチオピアへ赴いた。社会への還元を考えたからだという。洋菓子店での修業を始めたのは帰国後で、自分のお菓子で人の幸せに貢献したいという思いから、2014年にル・クシネを開店した。

開業前には、浅草や下谷でシェアハウス経営を行い、家賃負担を軽減するための資金を蓄えた。工学で学んだプロセス設計の考え方を、ケーキ作りや経営にも活かしている。

フランス菓子への深いこだわり

鈴木さんはフランスでの修業経験はないが、自転車でフランスを巡りながら現地の菓子を研究した。そこで得たのは、フランス料理が「分解・凝縮・再構築」を基本としているという洞察だ。日本では素材そのものを重んじるが、フランスでは特徴を際立たせるために加工を加える。例えば、シュークリームとエクレールは同じ生地とクリームを使っていても、形の違いから皮とクリームの比率が変わり、味わいも全く異なるという。

店内では、シュークリームの他にも「アンピュルシオン」(620円)や「エクレールショコラ」(480円)など、多様なフランス菓子を提供。シュークリームと「なめらかキングプリン」(350円)が人気のトップ2だが、季節によってラインナップが変わるのも魅力だ。

下町の空気と融合するフランスの味

ル・クシネは、根津神社近くの藍染大通りに面した木造2階建ての古民家で営業している。春には藤の蔓が建物を覆い、風情ある佇まいが目を引く。店内や店外のイスでは、下町散歩の途中に訪れた客が気軽にケーキを楽しむ姿が見られる。持ち帰りよりもその場で食べることを推奨しており、コーヒーや白ワインとのセットメニューも用意されている。

鈴木さんは「日本で受け入れられるにはフランス菓子そのままでは難しいという制約もあるが、その塩梅も楽しんでいる」と語る。東京の下町の穏やかな空気と、フランスの洗練された味わいが融合するル・クシネは、まち歩きの目的地として多くの人に愛されている。

店舗情報:東京都文京区根津2-34-24、営業時間11:00~21:00、定休日は火・水曜。支払いは現金の他、3000円以上ならPayPayも利用可能。通信販売は行っていない。