ソーシャルメディアの力が、2026年ミラノ・コルティナ冬季オリンピックに出場する一人のアスリートを救うかもしれない。フィギュアスケート男子のトマスリョレンク・グアリノサバテ(スペイン)が、今季のショートプログラムで使用しているアニメ映画「ミニオンズ」の楽曲について、著作権使用許諾の問題に直面しているが、SNSでの公表後、状況が好転しつつある。
公式練習で「ミニオンズ」を滑走、SNSが転機に
グアリノサバテは今月2日、自身のSNSを通じて、「ミニオンズ」の楽曲使用許諾が得られない可能性があることを明らかにした。しかし、5日に行われたミラノ・コルティナ五輪の公式練習では、問題の楽曲を流して滑走を実施。練習後、選手は状況が改善されつつあると語り、SNSでの発信が権利者との交渉に影響を与えた可能性を示唆した。
国際スケート連盟の厳格なルールと日本の事例
国際スケート連盟(ISU)は近年、演技で使用する音楽について、提携企業を通じて権利者から正式な使用許諾を得ることを強く求めている。日本では、中井亜美選手(TOKIOインカラミ)が今季、ディズニー映画「シンデレラ」のテーマ曲をフリープログラムで使用する計画だったが、著作権者からの許可が得られず、曲の変更を余儀なくされた。この事例は、フィギュアスケート界全体で著作権問題が深刻化していることを浮き彫りにしている。
申請プロセスの課題と提携先の不安定さ
グアリノサバテによれば、音楽の使用申請はシーズン前から進められていたが、権利者からの返答が遅れるなど、手続きに難航していた。ISUの提携先も盤石ではなく、申請プロセスに不透明さが残る状況が続いている。これにより、アスリートたちは競技シーズン中に突然の曲変更を迫られるリスクに直面しており、競技準備に支障を来す可能性が指摘されている。
ミラノ・コルティナ五輪を巡る動向
2026年2月6日から22日まで開催されるミラノ・コルティナ冬季オリンピックでは、フィギュアスケートをはじめとする種目で、音楽著作権が重要な課題として浮上している。グアリノサバテのケースは、SNSを活用したアスリートの直接的な訴えが、伝統的な交渉ルートを補完する新たな手段となり得ることを示しており、今後の五輪運営に影響を与える可能性がある。
この問題は、スポーツとエンターテインメントの融合が進む中で、著作権管理の在り方を見直す契機となるかもしれない。アスリートの創造性と権利保護のバランスをどう図るか、関係者間での議論が活発化することが期待される。