外国ルーツの子ども支援拡充、大阪市が日本語学習や通訳強化へ
外国ルーツの子ども支援拡充、大阪市が日本語学習や通訳強化へ

大阪市は2026年度、外国にルーツを持つ小中学生とその保護者を対象に、日本語学習や通訳支援を大幅に拡充する。日本語指導が必要な児童生徒の数が急増し、学校現場の教職員にかかる負担が深刻化していることを受け、通訳システムの導入や学校図書館の活用など、多角的な施策を打ち出す。

日本語指導が必要な児童生徒が2倍以上に

大阪市の調査によると、日本語指導が必要な小中学生の人数は、2019年度には818人だったが、2024年度には1946人と、5年で2倍以上に増加した。また、入学時の初期面談の件数も、2019年度の375件から2024年度には1203件と、約3.2倍に急増している。学校側は面談を通じて子どもと保護者の日本語能力や生活状況を把握し、個別対応を検討する必要があり、現場の負担は増す一方だ。

これまでの施策と課題

市教育委員会は、外国にルーツを持つ子どもが一定数在籍する小中学校に日本語指導教員を配置してきたが、対象校は年々増加し、2025年度には28校に達した。また、授業で使えるAI翻訳の導入や、遠隔地の通訳者によるリモート教育相談も実施してきたが、急増する子どもの数に追いついていないのが実情だ。

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2026年度の新たな支援策

2026年度予算では、既存施策の拡充に加え、以下の新規事業を計上した。

  • 保護者向け日本語学習支援(900万円):日本語教室に加え、学校行事や進路、学校生活を理解するためのプログラムを開発し、講座を開催する。
  • 学校図書館を活用した児童生徒支援(2800万円):「多文化共生支援担当」の学校司書ポストを新設し、小中8校のモデル校に配置。子どもの日本語能力に合わせた図書の提供や教員の教材作成支援を行う。
  • 児童福祉施設などでの通訳支援(1億7700万円):多言語リモート通訳システムを保育所などに導入し、通訳体制を強化する。

市教委の担当者は、「外国につながる子どもたちや保護者、先生を支援するだけでなく、周囲の子どもたちも多様な文化の中で一緒に成長できる教育を進めたい」と話す。

専門家の見解

外国にルーツを持つ子どもの教育に詳しい大阪教育大学の米沢千昌准教授(日本語教育学)は、家族を帯同できる在留資格を持つ外国人労働者の増加に伴い、子どもの数も増えていると分析。「年度途中に編入する子どもが多く、突然の受け入れにも学校は対応せねばならない」と支援拡充の必要性を指摘する。

一方で、多様な国籍の子どもが増えることによるメリットも強調。「授業では視覚で分かる資料を多用するなど、母語にかかわらず分かりやすい授業づくりが進んだり、ジェスチャーなどを駆使して子どもたちが互いに工夫しながらコミュニケーションを取ったりと、クラスにとってプラスの効果は大きい」と述べている。

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