理不尽な要求や暴言など、客からの迷惑行為「カスタマーハラスメント(カスハラ)」を防ぐため、三重県は全国で初めて刑事罰を盛り込んだ条例を制定する方針を固めた。カスハラ防止条例は各地に広がりつつあるが、カスハラを「犯罪」と位置づけ、より強い防止効果を狙うのが特徴だ。
条例案の概要
県は8日、最終案を公表した。9月の県議会に提案し、2027年4月の施行を目指す。最終案では、長時間にわたって繰り返したり、大声を出したりして不安を抱かせる方法で、利益供与や過剰な謝罪・面会の要求、卑わいな言動、深刻なつきまとい行為などを「特定カスハラ」と定義。従業員が被害を受けた場合、事業者は録画や録音などの証拠を添えて知事に申し出ることができる。
罰則までの流れ
県の審議会で特定カスハラに該当すると判断されれば、知事が加害者に「禁止命令」を出す。命令に従わない場合、捜査機関に刑事告発する。裁判で有罪となれば、50万円以下の罰金や拘留、科料などの罰則が科される。
県はカスハラが広く社会問題となっていることを受け、厳格な対策が必要と判断した。カスハラ被害は飲食店や小売店、公共交通機関などで多く報告されており、従業員の離職や精神的なダメージにつながっている。今回の条例により、抑止効果が期待される。
一方で、罰則の厳しさから「過剰な規制になるのではないか」との懸念も一部で上がっている。県は運用に慎重を期し、審議会で慎重に判断する方針だ。
全国で初めての試みとなるこの条例が、他県に波及する可能性もある。カスハラ防止の新たなモデルケースとして注目される。



