大阪市中心部を走る鉄道新線「なにわ筋線」(2031年開業予定)の総事業費が、従来計画のほぼ倍の6500億円となる見通しとなった。これを受け、大阪府と大阪市は30日、建設を担う第三セクターの「関西高速鉄道」に対し、コスト縮減策の検討などを求めた。大阪市の負担は当初計画から最大で600億円増加する可能性がある。
事業費倍増の背景
府によると、府市などが株主となっている関西高速鉄道の試算では、従来の総事業費3300億円に3200億円が上積みされる。増額の内訳は、資材や土地の価格上昇といった物価高騰で2000億円、地中で見つかった建物基礎の杭の撤去など工事内容の見直しで750億円、追加の安全対策や騒音対策などで450億円となっている。
府市の対応
府市はこの日、対応を協議する会合をそれぞれ開き、関西高速鉄道に対し事業費の精査やコスト縮減策の検討を求めた。さらに、関西高速鉄道の内部に設置されている第三者委員会で事業継続の妥当性について速やかに審議を始めるよう指示した。
関西高速鉄道によると、今後は事業費の内訳をさらに詳細に分析し、削減可能な項目を特定する方針。また、工法の見直しや資材調達の効率化なども検討するという。
市民への影響
なにわ筋線は、大阪市中心部の南北を結ぶ新たな鉄道路線として期待されており、沿線の開発や交通利便性の向上が見込まれている。しかし、事業費の増加による運賃への影響や、開業時期の遅れが懸念される。大阪市は「市民の負担を最小限に抑えるため、徹底したコスト削減を求める」としている。



