愛知県知立市の名鉄知立駅北側に位置する西新地地区の再開発事業が、建材費や人件費の高騰による基本設計の見直しで、当初の計画よりも着工が遅れる見通しであることが、知立市への取材で明らかになった。完工予定も約1年3カ月後ろ倒しとなり、2032年2月を目標としている。
計画の遅延とその背景
同事業を手掛けるトヨタホームを代表とする企業グループは、地権者で組織する準備組合の3月の臨時総会で、計画の遅延について説明を行った。補助金を拠出する市にも同様の説明がなされた。
市の担当者によると、建材費や人件費の高騰により、総事業費が当初見込みの249億2千万円を超過する見通しとなり、現在計画の一部を見直しているという。また、県の事業認可を受けて準備組合から正式な組合に移行する手続きも、予定していた9月から来年4月に延期された。
当初計画と見直しの内容
当初の計画では、28階建ての分譲マンション、12階建ての賃貸住宅や商業施設などの複合施設、駐車場棟の3棟を建設する予定だった。見直し後も3棟の建設は維持するものの、階数の変更や分譲マンション棟への賃貸住宅の集約などにより、工事費の削減を図る。しかし、見直しによる総事業費の圧縮効果は、工事費の高騰によって限定的となる可能性もあるとされている。
補助金と市の負担
総事業費のうち、補助金は72億6800万円で、市はそのうち19億7900万円を負担する。市は、遅延による影響について「精査中」としつつ、事業の停滞回避と安定的な完工を最優先事項として、「準備組合、トヨタホームのグループ、市の3者とも同じ方向を向いて、事業の成立を目指していく」と担当部長は述べている。



