北海道小樽市の朝里川温泉スキー場で昨年12月、札幌市の保育園児、後藤飛向ちゃん(当時5歳)がベルトコンベヤー状のエスカレーターに右腕や着衣を巻き込まれ亡くなった事故で、スキー場運営会社「Sasson」(小樽市)が設置した第三者委員会は30日、巻き込みを防ぐ安全装置が現場の判断で無効化されていた可能性があるとする調査報告書を公表した。
安全装置の無効化が常態化
報告書によると、雪詰まりでセンサーが誤作動しエスカレーターが頻繁に停止することを理由に、安全装置を無効化する運用が常態化し、事故時も作動しない状態だった疑いがある。無効化は整備や保守を担当する現場責任者の独断で行われ、施設の安全統括管理者らは知らされていなかったとしている。
訓練不足と監視員不在も
報告書では、安全装置の操作や緊急時の対応訓練が実施されず、救助が遅れた原因になったとも指摘。メーカーが求める監視員も配置していなかった。
第三者委員会は、安全装置の無効化が常態化していた背景には、コスト削減や業務効率化への過度な重視があったと分析。また、現場責任者が安全統括管理者に報告せずに独断で無効化していた点について、管理体制の不備を問題視している。
この事故を受け、スキー場業界では安全装置の点検や保守体制の見直しが進められている。国土交通省も全国のスキー場に対して安全装置の適切な運用を求める通知を出すなど、再発防止策を強化している。



