茨城県神栖市長選をめぐり、県選挙管理委員会は28日、現職の木内敏之氏の当選を無効とする裁決を下した。昨年11月の投開票で、木内氏と前職の石田進氏の得票数がともに1万6724票で並び、くじ引きにより木内氏が当選していた。しかし、石田氏の異議申し立てを受け、県選管が再点検した結果、木内氏の得票のうち2票が無効と判断され、形勢が逆転した。
「まんじゅうや」「だんごさん」票の有効性が争点に
問題となったのは、木内氏の実家が市内の老舗和菓子店であることに因み、投票用紙に「まんじゅうや」「だんごさん」と記された2票の扱いだ。市選管は「広く知られている」として有効と認めたが、県選管の星野学委員長は「木内氏の通称として広く使われていたとは認めがたい」と指摘し、無効とした。
石田氏側にも無効票、差は1票に
一方、石田氏側の票についても、氏名の記載に加えて欄外の数字を丸で囲んだ票が他事記載に当たるとして1票が無効となった。結果、石田氏が1万6723票、木内氏が1万6722票となり、石田氏の当選が確定する形となった。
石田氏は「県選管が時間をかけ、慎重かつ公正に判断してくれた結果。重く受け止めている」とコメント。一方、木内氏は「全く納得できない」と憤慨し、公職選挙法に基づき東京高裁に異議を申し立てる方針を示した。ただし、地方自治法の規定により、裁決や訴訟の判決が確定するまでは市長職を失わない。
総務省は、選挙で当落が逆転した事例について「網羅的なデータはなく、コメントできない」としている。



