インタビュー:平和国家の旗を降ろすのか 青井未帆さんが語る憲法改正論議の現在地
2026年5月1日 9時00分 有料記事 聞き手 編集委員・豊秀一
「軍隊を指揮・命令するという統帥作用を憲法典から削除して出発した日本国憲法80年の歩みが問われています」=東京都中央区、井手さゆり撮影
4月の自民党大会で高市早苗首相(自民党総裁)は憲法改正への意欲を「時は来た」という言葉で表現した。だが、その時は来ているのか。主権者である私たちはどんな眼力を持つべきなのか。憲法を変えることは何を意味するのか。青井未帆・学習院大学教授(憲法)と「憲法改正論議の現在地」を考えた。
高揚感と逆説的な現実
――党大会での高市首相の改憲へ向けた発言には高揚感のようなものを感じました。
「高市首相はこれまでも『(憲法審査会での各会派の考えは)かなり熟してきた』と発言し、衆院憲法審査会長の古屋圭司議員も『議論はほぼ出尽くしている』と言っています。改憲の機運を醸成する狙いは明らかです。しかし、改憲を主張する人々にとって、逆説的な現実が生まれています」
中東危機で可視化された憲法9条の効果
「戦後を振り返ると様々な改憲論が提起されてきましたが、近年の国際情勢、特に中東危機において、憲法9条の平和主義がもたらす効果が可視化されつつあります。日本が武力紛争に巻き込まれず、外交的解決を模索できる基盤として、9条は依然として重要な役割を果たしています。しかし、改憲派はこれを『時代遅れ』と見なし、自衛隊の明記や集団的自衛権の拡大を主張しています」
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