歌とダンスの力で復興へ進む町に光をともしてきたアイドルが最後のステージを迎える。福島県浪江町などを拠点に活動してきた8人組グループ「LumiUnion(ルミユニオン、旧浪江女子発組合)」は29日の町内でのライブで約6年半の活動に幕を下ろす。メンバーは「町全体に私たちの明るさが響き渡るライブにしたい」と語り、その姿を町民らの記憶に刻んでもらうつもりだ。
復興の象徴として歩んだ軌跡
「震災や浪江町のことを理解した上で活動したかった」と、総合プロデュース兼メンバーの佐々木彩夏さん(29)は振り返る。町の避難区域の一部が解除されてから2年半後の2019年11月にデビュー。活動開始に当たり、浪江創成小中学校など町内を巡り、復興に歩む姿への理解を深めた。
結成のきっかけは、佐々木さんが所属する「ももいろクローバーZ」のライブだった。「町の皆さんから、1回限りではなく継続して何かできませんかという話をいただいた」。その思いを受け、佐々木さんが事務所の後輩を誘って浪江女子発組合を結成。町の恒例行事・十日市祭で初めてステージに立った。
その後は定期的に町でライブを行うなど精力的に活動。ライブで訪れたことをきっかけに町の移住につながった例もあった。メンバーの内藤るなさん(25)は「アイドルを初めて見る人もいて『どうしたら楽しんでもらえるだろう』とみんなで工夫していた」と思い返す。
2024年には町のふるさと応援大使「第1号」にも選ばれ、メンバーの播磨かなさん(24)は「町の方々は復興や活動を頑張っている。皆さんの思いを背負ってできることを改めて頑張りたいと思った」と語る。
改名と新たな決意
昨年3月には拠点を首都圏に移し、同年6月にルミユニオンへと改名。震災時に幼かったメンバーも加わり、佐々木さんの心境に変化があった。「『新しい世代に震災を伝え続ける世代』になったと感じた」。日本中が震災や復興を考えるきっかけとなることを目指して活動を続けてきた。
解散後も変わらぬ思い
解散となるが、メンバーの浪江への思いは強い。佐々木さんは「活動は終了するが、ふるさとのような気持ちは変わらない」、内藤さんは「町や震災のことを日本中の人に知ってもらえるお手伝いが続けられたら」と話す。
始まりの地・浪江で迎える最後のステージ。メンバーは「町の情景や祭りを歌った曲もある。最後に私たちの思いを込めて歌やダンスを届けたい」と声を合わせた。
最後のライブ詳細
最後のライブは道の駅なみえで29日午後3時に開演する。観覧無料。浪江町民は当日正午から先着順に、町民エリアの受け付けがある。フリー観覧エリアも設置予定。詳細はルミユニオンの公式ホームページへ。



