御厨貴氏が語る中道改革の「通信簿」 失われる言葉の重みと気概 戦後最弱の野党第1党の実像
御厨貴氏が語る中道改革の通信簿 失われる言葉の重み

御厨貴氏が語る中道改革の「通信簿」 失われる言葉の重みと気概

2026年度当初予算が成立し、特別国会は折り返しを迎えようとしている。衆議院において野党第1党の地位にある中道改革連合の現状について、近現代日本政治史を専門とする東京大学名誉教授の御厨貴氏に、戦後日本政治の文脈を踏まえた中道の「通信簿」を聞いた。

高市早苗首相による衆議院の「急襲解散」に対応するため、急ごしらえで結成された中道改革連合。その内実には多くの課題が浮き彫りとなっている。

今回の衆院選で中道は、公示前の167議席から49議席へと大幅に減らす惨敗を喫した。武器輸出の拡大や憲法改正など、タカ派的政策を打ち出す高市早苗政権に対抗する「中道勢力の結集軸」を目指すものの、存在感を発揮できていない。憲法改正や安全保障といった重要政策をめぐる立場も定まらず、迷走が続いている。

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御厨氏は、戦後の日本政治において、ここまで野党第1党が弱体化した例はないと指摘する。国会論戦を見ても、衆院選での敗北が大きすぎて政権を追及する力すら失っている状況だ。「高市人気」を背景に追及すれば批判が自分たちに向くことを恐れ、及び腰になっている面も否めない。権力監視という野党の本来の役割を果たしているとは言い難いと氏は述べる。

立憲民主党と公明党の衆院議員による、衆院解散・総選挙直前の中道結成は選挙対策であることが明白であり、これは「滅びの道」だったと御厨氏は断じる。

昨年10月に高市氏が自民党総裁に選ばれた直後、公明党は26年間にわたる自民党との協力関係を解消した。自民党の「右傾化」に対する拒否感が強かったことが背景にある。2024年衆院選、2025年の東京都議選や参院選で敗北が続く中、中道結成は党勢低迷からの脱却も狙っていた。

公明党の連立政権からの離脱は、自民党の体質を変容させる大きなインパクトをもたらした。高市政権の発足から半年が経過し、保守的な政策に大きく舵を切っている。自民党内からは「公明党と組んでいたからこそ、本来手をつけるべき政策に着手できなかった」との声が上がる。一方、公明党としても、長年にわたり自民党の「ブレーキ役」を務めることに疲弊していたのだろう。

中道結成は、公明党の非常に重要な決断であったが、結果的に野党第1党の弱体化を招き、政治のバランスを崩すことになった。御厨氏は、中道改革連合が今後、真に権力監視機能を回復し、有効な対案を示せるかどうかが問われていると結論づける。

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