愛知発「尾張」ウイスキー、木曽川の水で醸す38歳創業者の挑戦 名古屋から愛西市へ移転で事業拡大
木曽川の水で造る「尾張」ウイスキー 38歳創業者の熱き挑戦 (18.02.2026)

木曽川の清流が生む「尾張」ウイスキー、愛西市に新たな拠点

愛知県の木曽川の水を活用して「尾張」ブランドのウイスキーを製造する東海酒造が、昨年秋に事業拡張を目的として、本社と工場を名古屋市から愛西市西保町へ移転しました。創業者の森川拓也さん(38)は、幼少期から親しんできた木曽川の水で仕込みたいという熱い思いから一念発起し、ほぼ単独で会社を運営しています。

独自のブレンド技術で6種類のウイスキーを展開

現在、森川さんが手がけるウイスキーは6種類に及びます。国内メーカーから調達した力強い味わいのモルト(大麦麦芽)原酒や、トウモロコシ・小麦を原料としたグレン原酒などを巧みにブレンドし、独自の風味を追求しています。ブレンド比率をわずか1%変えるだけで味が大きく変化する奥深さを活かし、アルコール度数を40度または43度に調整した後、「尾張」ブランドとして市場に送り出しています。

特に注目すべきは「尾張ロイヤルモルト」です。泥炭で燻製したモルト原酒を100%使用しており、ハチミツのようなリッチで重厚感のある味わいが特徴です。このウイスキーを含む6種類は、700ミリリットル入りで1800円から5000円(税別)で販売され、愛知県内の酒店などで限定入手が可能です。

大阪での経験を糧に独立、地元愛知への貢献を誓う

森川さんは2年前まで大阪の酒造会社で営業職として勤務し、自宅ではウイスキーをロックやハイボールで楽しんでいました。その経験から「いつか自分なりのウイスキーを造りたい」という思いが強まり、会社の醸造所で製造方法を学びました。2024年7月にはオーナーの励ましを受けて独立を果たし、育った名古屋市に近い天白区で東海酒造を創業しました。

「地元の愛知が好きで、木曽川の水で仕込みたい」という信念から、家族が住む奈良県から単身赴任し、5畳ほどの狭い拠点で製造を開始。試行錯誤を重ねて完成させたウイスキーは、国際的な品評会でメダルを獲得するなど高い評価を得ています。

新拠点で原酒製造にも着手、営業力で県内300軒を訪問

手狭になった拠点を拡張するため、昨年9月には愛西市にあった倉庫を改装し、本社と製造拠点を移転しました。市場への本格的な展開は4年後を見込んでいますが、すでに原酒の製造にも着手しています。森川さんは培った営業力を駆使し、愛知県内の酒店約300軒をほぼ一人で訪問し、自慢の味を広める活動に奮闘中です。

「ウイスキーを通じて地元愛知に貢献したい」と語る森川さん。木曽川の清流と情熱を注いだ「尾張」ブランドが、最高の一杯として愛知の地から世界へ羽ばたく日を目指しています。