日経平均株価が27日、史上初めて終値で6万円の大台に乗せた。5万円を突破したのは2025年10月27日。わずか半年で1万円(20%)も急上昇した背景には何があるのか。人々は株高を実感できているのか。りそなアセットマネジメントの黒瀬浩一・チーフエコノミストに聞いた。
中東情勢の混乱の中での6万円突破
――中東情勢の混迷が続く中での6万円突破となりました。
「AI(人工知能)・半導体が株価を支えています。イラン情勢への不安はのしかかっているものの、『AI革命』への期待が強力に株価を持ち上げています。さらに、市場はすでに、中東情勢が最悪期を過ぎ、改善に向かうという期待を織り込んでいます。今の株価は、原油価格の高止まりすら織り込んだ上でのものです」
原油高とAI向けデータセンター需要
黒瀬氏は、原油価格の高止まりにもかかわらず、AI関連企業への投資が活発であることを指摘。特に、データセンター向けの半導体需要が旺盛で、これが株価を押し上げているという。また、政権に対する市場の期待も大きく、財政出動や規制緩和への期待が投資家心理を強気にさせている。
恩恵は富裕層に偏る現実
しかし、こうした株高の恩恵がすべての国民に及んでいるわけではない。黒瀬氏は「株価上昇の恩恵は、株式を保有する富裕層に偏る」と警鐘を鳴らす。実際、日本では株式を保有する世帯は限られており、賃金上昇が追いつかない中で、物価高に苦しむ家計との格差が広がっている。
「日経平均が6万円を超えても、実体経済の改善が伴わなければ、多くの人々は豊かさを実感できない。企業の収益向上が賃金上昇や雇用拡大につながるかが鍵だ」と黒瀬氏は強調する。
今後の展望とリスク
今後の株価動向について、黒瀬氏は「AI関連株の過熱感は否めないが、長期的な成長期待は大きい。一方で、中東情勢の悪化や米国の金利上昇など、リスク要因も多い」と指摘。投資家は慎重な姿勢を求められるとしている。
また、円安の進行も株高の一因だが、輸入物価の上昇を通じて家計を圧迫する側面もある。黒瀬氏は「為替の行方も注視する必要がある」と述べた。



