エネルギー危機は脱炭素遅れが原因 長期化で経済悪化と需要抑制の懸念
エネルギー危機は脱炭素遅れが原因 長期化で経済悪化の恐れ

エネルギー危機の本質は脱炭素化の遅れにあり

出口が見えない中東発のエネルギー危機が、日本の経済と国民生活を大きく揺るがしている。野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは、現在の石油関連の価格高騰や供給不安について、脱炭素の取り組みが遅れた結果であると明確に指摘する。この危機が長期化すれば、経済の悪化と需要抑制が避けられない状況に陥る可能性が高いという。

1970年代の石油危機よりも深刻な状況

木内氏は経済の専門家として、現在のエネルギー危機を「未曽有の危機」と表現する。原油価格だけを見れば過去最高値には達していないものの、暮らしや産業に不可欠な石油やナフサが数量的に確保できなくなることで、経済を大きく下振れさせる懸念が強まっている点が特徴だ。

「この点はかつてない事態であり、1970年代の石油危機よりも深刻な状況です」と木内氏は語る。原油価格の高騰はインフレ圧力を高め、経済成長率を押し下げる効果を持つ。影響の程度はホルムズ海峡経由の石油・ガス供給の落ち込みがどれほど続くかに依存するが、無傷で済む段階は既に過ぎ去っているという認識を示した。

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スタグフレーションへの懸念が高まる

危機が長期化し、企業の生産活動や個人消費が制約されれば、日本がスタグフレーションに陥る恐れが強まると警告する。スタグフレーションとは、景気後退と物価上昇が同時に進行する経済現象であり、政策対応が極めて困難な状況を指す。

「それなりの悪影響が避けられません。企業の生産や個人消費が制約されれば、日本がスタグフレーションに陥る恐れが強まります」と木内氏は危機感をあらわにした。

世界的な影響とアジア諸国への打撃

世界的な影響については、現時点では世界が一気に景気後退に向かうほどではないと分析する一方で、石油・ガスの中東依存度が高いアジア諸国は直接的な打撃を受けていると指摘する。

さらに、米国経済が雇用や非上場企業向け金融などの面で不安要素を抱えていることから、今回のエネルギー危機をきっかけに米国の個人消費や景気が落ち込み、日本を含む世界各国に波及する可能性にも言及した。

国内における生活への具体的な影響

エネルギー危機が始まった後、国内ではガソリン価格の高騰をはじめとする様々な影響が表れている。日用品の値上げが急速に進み、国民生活に直接的な負担が増大している状況だ。

木内氏は、エネルギー対策のあり方について経済の視点から語り、脱炭素化の加速が中長期的なエネルギー安全保障にとって不可欠であることを強調した。現在の危機は、エネルギー政策の転換が遅れたことの代償として現れているとの認識を示している。

エネルギー危機が脱炭素化の遅れに起因するという指摘は、今後のエネルギー政策の方向性に重要な示唆を与えるものと言える。経済活動と環境対策のバランスをどのように取るかが、日本社会全体の課題として浮き彫りになっている。

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