ファームランドトレーディングが破産開始決定、コロナ禍で業績悪化し負債12億円超
ファームランドトレーディング破産、コロナ禍で負債12億円超 (17.02.2026)

食品卸売大手のファームランドトレーディングが破産開始決定、コロナ禍の影響で経営悪化

東京商工リサーチの調査によると、ファームランドトレーディング株式会社(本社:東京都渋谷区)およびその関係会社2社が、東京地方裁判所から破産開始決定を受けたことが明らかになった。 決定日は2月4日付であり、3社合計の負債総額は約12億3000万円に達している。同社はアメリカンビーフを主力商品とする食品卸売企業として長年業界をリードしてきたが、新型コロナウイルス感染症の拡大による業績悪化が経営を圧迫し、ついに破産に至った。

創業から拡大期を経て、コロナ禍で急転直下

ファームランドトレーディングは1983年に設立され、当初は肥料の輸入販売を主な事業としていた。1990年代に入ると事業規模を拡大し、アメリカンビーフを中心とした肉製品、ワイン、生鮮・冷凍野菜、種子など多岐にわたる食品の取扱いを開始した。 豊富な仕入れルートを強みとして、食肉メーカーや食品商社などへの販路を積極的に開拓。2017年12月期には売上高が約60億4056万円を記録するなど、順調な成長を遂げていた。

しかし、2020年に発生したコロナ禍が同社の経営に深刻な影響を与えた。外食産業の需要減退やサプライチェーンの混乱により、2020年同期の売上高は大幅に減少し、赤字を計上することとなった。翌期には黒字転換を果たしたものの、売上高は30億円台で推移し、以前の水準には回復しなかった。このような状況下で経営状況は悪化の一途をたどり、2024年からは私的整理に着手したが、効果的な再建策を見いだせなかった。

関係会社も同時に破産、地域経済への波及懸念

破産開始決定を受けた関係会社には、生鮮野菜卸売を手がけるビオテール株式会社(渋谷区)と、野菜加工販売を行う天土株式会社(茨城県古河市)が含まれる。両社の負債はそれぞれ約2億2000万円、約1000万円となっており、ファームランドトレーディンググループ全体の経営難が浮き彫りとなった。昨年初旬には本社事務所のあるテナントビルからの退去も実施されており、事業継続が困難な状況に陥っていたことがうかがえる。

今回の破産は、コロナ禍が食品卸売業界に与えた打撃の大きさを改めて示す事例となった。同社のように長年安定した事業を展開してきた企業でも、急激な環境変化に対応しきれず、経営破綻に追い込まれるケースが増えている。地域経済への波及影響も懸念され、関係取引先や従業員への対応が今後の課題となる。

食品業界では、需要の回復が見込まれる一方で、原材料価格の高騰や物流コストの上昇など新たな課題も山積している。ファームランドトレーディングの事例は、業界全体が持続可能な経営モデルを模索する必要性を強く印象付ける結果となった。