JR宇都宮線の架線断線、原因は交換ミスと点検の二重見過ごし
JR宇都宮線で今月8日から9日にかけて発生した架線の断線による運休の長期化トラブルについて、JR東日本は17日、約3年前に架線の摩耗を把握した際、誤って別の架線を交換したことが根本原因だったと明らかにしました。このトラブルは約19万人の利用者に影響を及ぼし、鉄道ネットワークに大きな混乱をもたらしました。
摩耗把握時の重大なミスと点検の不備
断線した架線は、交換が必要とされる太さの半分である4.1ミリまで摩耗していたことが判明しています。この摩耗は2023年4月の点検で既に発見されていましたが、引き継ぎのミスにより、工事の対象が近くの別の架線と取り違えられ、適切な交換が行われませんでした。さらに、その後の2024年度と2025年度の点検作業では、異常が見落とされていたことが報告されています。
宇都宮線では、架線の画像やデータを用いた点検手法が導入されていましたが、これらの点検作業は1人で実施されており、二重チェックの欠如が異常の見落としにつながったと指摘されています。この点検体制の脆弱さが、トラブルの長期化を招いた一因と考えられます。
緊急点検の結果と今後の対応
JR東日本は、このトラブルを受けて、新幹線や在来線の計9106か所の架線に対して緊急点検を実施し、13日までに完了させました。幸いにも、これらの点検では問題は確認されませんでした。しかし、同社は今後、首都圏の在来線など約900キロにわたる架線の確認作業を進める方針です。
このトラブルは、鉄道インフラの維持管理における人的ミスと点検プロセスの不備を浮き彫りにしました。JR東日本は、再発防止に向けて、点検体制の強化や引き継ぎプロセスの見直しを検討しているとみられます。利用者への安全確保と信頼回復が急務となっています。